■キャラの細やかな描写にまでこだわり!

『タクティクスオウガ』を遊んで、私がもっとも引きつけられたのが美しすぎるグラフィック。もちろんスーファミ時代なので3Dポリゴンなどではなく、温かみのあるドット絵で描かれたモノです。

 個人的には“ドット絵”はカセットロムの容量制限が厳しい時代に生まれた「ひとつの芸術」だと思っていて、容量を節約しながらいかに美しいゲーム画面を作るかという方向性でしのぎを削っていた時代でした。

 そんな中、ドット絵で描かれたキャラを活き活きと動かした『タクティクスオウガ』のグラフィックには衝撃を受けました。戦闘シーンでの斬りかかったり、攻撃をはじく場面の細やかな動き、ド派手な魔法エフェクト、高低差のあるステージを立体的に見せる技術など、どこをとってもまさに芸術的!

 また、ストーリーに登場するドット絵のデフォルメキャラの細かい所作にも製作サイドのこだわりを感じずにはいられません。たとえば1章の冒頭の1場面だけでも、階段に腰かけるおじさん騎士、壁にもたれかかる青年騎士など、ドット絵で描かれたポーズでキャラの性格や関係性までなんとなく感じさせる、とてもていねいな描写に驚かされました。

ポーズの違いで性格を感じられる。描きこみが細かい!
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