ゲームボーイの「モノクロ画面」に見る“偉大なる原点”…初代『スーパーロボット大戦』の革新的システム「説得コマンド」に魅了された日々の画像
ゲームボーイ用ソフト『スーパーロボット大戦』(バンプレスト) (C)ダイナミック企画・創通エージェンシー・サンライズ (C)BANPRESTO 1991

 アニメ作品に登場する、さまざまなロボットたちが一堂に会する夢のシミュレーションゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズ(バンダイナムコエンターテインメント)。2025年8月28日に最新作『スーパーロボット大戦Y』の発売を控えている、多くのファンから支持されている人気作品だ。

 その歴史はかなり古く、初代『スーパーロボット大戦』が発売されたのは1991年4月20日。今から34年も前のことであり、発売ゲームハードは据え置き機ではなく、携帯ゲーム機の「ゲームボーイ」だった。

 最新作『スパロボY』の発売が間近に迫るなか、あえてシリーズの原点である初代『スパロボ』について振り返ってみたい。

※本記事には作品の内容を含みます。

■今思えば衝撃! 味のある白黒のゲーム画面

 初代『スーパーロボット大戦』が発売された1991年というと、世界ではソビエト連邦が事実上崩壊した年であり、湾岸戦争が終結。日本では貴花田が横綱の千代の富士を破って初金星を挙げ、兄の若花田とともに「若貴ブーム」を巻き起こした年でもある。

 また同年7月には『ファイナルファンタジーIV』(スクウェア)が発売。ゲーム界では1990年にリリースされたばかりのスーパーファミコンが大人気だったが、初代『スーパーロボット大戦』はそちらではなく、携帯ゲーム機であるゲームボーイ用ソフトとしてリリースされた。

 ゲームボーイの液晶はモノクロであり、初代『スパロボ』のグラフィックも当然、白黒のシンプルなドット絵で表現されていた。

■今とは全然違う「ユニークなシステム」も

 初代『スパロボ』がシミュレーションRPGなのは今と変わらないが、初代には「パイロット」という概念がなく、擬人化されたロボットたちが個々に戦うという内容。どちらかというと、擬人化されたガンダムや仮面ライダーウルトラマンなどが戦う「コンパチヒーローシリーズ」に近いシステムが採用された。

 とはいえ、おなじみの「精神コマンド」は初代から登場。攻撃力が上がる「ねっけつ(熱血)」、攻撃を回避する「ひらめき(閃き)」といった定番のものから、「きょうめい(共鳴)」や、「あい(愛)」といった本作独自の精神コマンドまで存在した。

 そんな初代『スパロボ』で、もっとも印象的だったのは「説得システム」ではないだろうか。本作は「ガンダムチーム」「マジンガーチーム」「ゲッターチーム」から自分のチームを選択。選ばれなかったチームは、なんと敵として登場するという仕様である。

 しかし、敵となったユニットも「説得」を成功させることで仲間にできる。しかも本来味方になるはずだったユニットだけでなく、機械獣やメガザウルスといった通常の敵ユニットまで説得で味方につけられた。逆に敵から味方ユニットを引き抜かれることもあり、実におもしろい要素だった。

 ちなみに、バグ技でラスボスまで仲間にできてしまうが、その場合はクリアできなくなるのも御愛嬌である。

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