■最近の作品よりシビアな面も…!?
プレイヤーにとっては、ある意味厳しいシステムが採用されているのも、初代『スパロボ』の特徴。味方ユニットが撃破されてしまうと、基本的には二度と復帰できなくなる。
一応、精神コマンド「あい(愛)」によって復活の道は残されているが、使える精神コマンド自体がランダムで決まる仕様のため、絶対に失いたくないユニットの操作には細心の注意を払う必要があった。
また、このシステムを逆手にとって、不要なユニットをわざと撃破させ、定員枠を空けるという非人道的なテクニックも存在した。
ほかにも『第4次スーパーロボット大戦』などにあったフィールドマップに資金や強化パーツが落ちている「探索」要素は、実は初代『スパロボ』から導入されていた。マップ上のどこかにアイテムが隠されていて、そのマスに止まると武器が増えたりするのだ。
そしてゲームボーイならではの通信ケーブルを使った対戦機能も当時は魅力的だった。これは自分の育てたチームを戦わせることができる画期的なシステムである。
自分の育成したキャラ同士で対戦するゲームといえば『ポケットモンスター』シリーズ(任天堂)が有名だが、『ポケモン赤・緑』が発売されたのは1996年であり、初代『スパロボ』から5年も後のことだ。
パイロットという概念がなかったり、対戦機能があったりと、現在のシリーズには見られないユニークな要素も多かった初代『スーパーロボット大戦』。最近のシリーズ作品と比べてしまうと、参戦作品やボリューム面の少なさ、シンプルすぎるグラフィックなど、物足りない部分は当然あるだろう。
だが、あの白黒の液晶に夢中になった経験がある人からすると、これこそが原点であり、いつまで経っても忘れられない一作なのだ。