■壮大な親子の物語、そしてプレイヤーを悩ませた結婚システム

スーパーファミコン版『ドラゴンクエスト5』より

 ドラクエ4の発売からおよそ2年半後、1992年9月27日に『ドラゴンクエスト5 天空の花嫁』が発売されました。

 シリーズでは初めてスーパーファミコン用ソフトとして発売された本作は、親子三代にわたる壮大な物語と有名な結婚イベントなどが多くのプレイヤーの心に刺さり、ドラクエ3と並ぶシリーズ屈指の人気作となっています。本作を原作とした映画『ドラゴンクエスト ユアストーリー』も2019年に公開となりましたね。

スーパーファミコン版『ドラゴンクエスト5』より

 舞台はドラクエ4から数百年後の世界。幼い主人公は父・パパスと旅をしていました。

 しかし、ある事件に巻き込まれたことをきっかけに、パパスは光の教団のトップであるゲマによって、主人公の目の前で殺されてしまいます。そして、主人公はゲマらに捕らえられ教団の奴隷となって十数年の時を過ごしていましたが、ある日看守のヨシュアに妹のマリアを連れて逃げてくれと言われ脱出に成功。パパスが死の間際に語った「母・マーサは生きている」という遺言を胸に、母親を探すための冒険を始めるのでした。

スーパーファミコン版『ドラゴンクエスト5』より

 旅の途中でビアンカorフローラと結婚し、双子の兄妹を授かった主人公は、息子が勇者の血を引く者であること、そしてマーサが魔界で捕らえられていることを知り、パパスの遺言と世界平和のために息子らとともに魔界へ向かう、という物語です。

スーパーファミコン版『ドラゴンクエスト5』より

 親子三代にわたる冒険でありながら、主人公が変わらないためプレイヤーが感情移入しやすいこともあり、主人公自身が勇者ではないということもわりとすんなり受け入れられます。

 また、本作から登場した仲間モンスターシステムも初の試みとしてはとてもよくできており、個性的なとくぎを覚えたり、人間キャラよりも優秀なステータスだったりなどモンスターごとに特色があり、プレイヤーによっては思い入れのあるモンスターもたくさんいるのではないでしょうか。

 もちろん僕はスライムナイトのピエールとグレイトドラゴンのシーザーが大好きです。

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