■1へとつながる、最高傑作と名高い「3」

ファミコン版『ドラゴンクエスト3』より

 そして、2の発売から約1年後、1988年2月10日にロト三部作の最終作である『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…』が発売されます。

 本作は今なおシリーズ最高傑作に推す声も多いほどの人気作であり、シナリオ、システムのすばらしさは30年以上がたった今でも色あせない完成度を誇ります。では、どんなお話なのか。

 主人公の父親・オルテガは、主人公がまだ幼いころに魔王バラモスを討伐するためにアリアハンから旅立ちますが、火山に落ちてしまい死亡したと伝えられます。

 オルテガの意志を継ぐ者として父と同じく勇者である主人公はアリアハンを旅立ち、バラモスの討伐へと向かいます。

ファミコン版『ドラゴンクエスト3』より

 その後、オーブを集め、魔王バラモスを討伐しアリアハンに帰還すると主人公は偉業を称えられ、国全体が平和を祝って浮かれまくっている中、バラモスよりもさらに上の大魔王・ゾーマの存在が明らかになるのです。

 このゾーマこそが真の巨悪であると判明し、災いの根源を断つために主人公はギアガの大穴という穴からゾーマにいる世界へと向かいます。その落ちた先の世界はなんと、1と2の舞台「アレフガルド」でした。

 つまり、この3の物語は1よりも前の話であり、1の話に出てきた「大魔王」がゾーマ、そして伝説の勇者「ロト」が3の主人公だったことが明らかになるのです。サブタイトルの「そして伝説へ…」が、最後に「1につながる」という意味を指していることが分かるこの演出は鳥肌モノでした。

 こうした演出によるインパクトの大きさも本作の人気を支えていると思います。

ファミコン版『ドラゴンクエスト3』より

 また、オルテガの死亡シーンや現実の世界とリンクしている世界地図、個性的なボスキャラクターなど印象に残るものが多く、1つの作品の中に多くのワクワクが詰まっていて、船入手後に行ける世界がぐんと広がる「冒険感」も強く、ストーリーを知っていても何度もプレイしたくなる中毒性がある作品となっているので、1と2を知らなくても楽しめる作品となっています。

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