■1の世界から100年後が舞台
そして、初代ドラクエの発売からわずか8か月後、1987年1月26日に『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』が発売されました。
りゅうおうを打倒した1の主人公はローラ姫とともに旅立ち、その先でローレシアという国を興しました。その後、ロトの血を引く3人の子にローレシア、サマルトリア、ムーンブルクの国を分け与え、それからおよそ100年が経過しているという設定です。
ある日、ローレシア城にムーンブルクの兵士が瀕死の状態でたどり着き、「ハーゴンによって我がムーンブルクが滅ぼされた」と報告します。
この事態にローレシア王は息子・ローレシア王子に対し、同じくロトの血を引くサマルトリア王子、ムーンブルク王女とともにハーゴンを討伐するように命じるところから物語が始まります。
ということで2の主人公はローレシア王子ですが、実質的にサマルトリア王子、ムーンブルク王女も主人公格のキャラクターと言ってよいでしょう。この3人によるパーティシステムが本作の特徴で、ドラクエ初の複数人対複数人による戦闘が搭載されました。
2の宿敵・ハーゴンは邪教の教祖であり、ラストダンジョンではいわゆる門番的立ち位置であるアトラス、バズズ、ベリアルという強敵を従えています。彼らを打倒し、ハーゴンを撃破すると、ハーゴンは自身を生贄に破壊の神・シドーを召喚します。これが本作のラスボスです。
ラスボスではありますが、召喚されて早々、いきなり主人公たちと戦闘することになるので、シドーが結局どんなヤツだったのかということは分かりません。少なくともムーンブルクを滅ぼすなど、世界を崩壊せんとしたハーゴンが自身の命と引き換えに呼び出したことを考えれば、ハーゴン以上の巨悪であったことは間違いありません。
ちなみにサブタイトルとなっている「悪霊の神々」はアトラス、バズズ、ベリアル、シドーの4体を指しているとされ、そんな悪霊の神々を自らの目的のために従え、呼び出していたのがハーゴンであるということになります。
2では船の登場により世界が広がっていく感覚を味わえたり、仲間がいないと進めない場所、フラグを立てないと進めない場所などが多くあります。1よりもRPGらしさがふんだんに詰まった作品となっていますが、その分1よりも難易度は高く、今なおシリーズ最高難易度とも言われています。
最終盤でのロンダルキアのブリザードによる即死呪文・ザラキや、序盤でもムーンペタ周辺に出るマンドリルの群れにボコられるなどといった詰みポイントがたくさんあるだけでなく、クリアするために必要な紋章の場所が非常に分かりにくいということもあり、攻略法がネットで調べれば簡単に出る時代ではない当時のプレイヤーはさぞかし苦労したかと思います。
しかし、だからこそ友人同士で情報共有する楽しみがあったのかもしれませんね。ともかく2はシドーを討伐したところで物語が終わります。