■謎とやり込み要素の多さにハマる「6」
天空三部作、最後の作品は1995年12月9日にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『ドラゴンクエスト6 幻の大地』です。
時系列的にはドラクエ4よりも前の時代のお話とされていますが、実は詳細についてはあまり明言されていません。4、5で登場した天空装備もありませんし(伝説の武具はありますが「天空装備」ではない)、「天空城」という名称も出てきませんし、ドラゴンに乗る描写こそありますがそれがマスタードラゴンと呼ばれるシーンもありません。
それでも天空三部作と呼ばれているのは、本作に登場するゼニスの城がドラクエ5の天空城と同じ造形をしていることと、そのゼニスの城で何かが生まれる瞬間を見届けて終わるエンディングの内容からドラクエ4よりも前のお話であるという理由だけで、実際にはもしかしたらつながりはないのかもしれません。
ですが、特に否定されているわけでもないので天空三部作の3作目と位置づけてよいでしょう。
物語はかなり複雑なものとなっています。
主人公はハッサン、ミレーユの2人とともに魔王ムドーを討伐しようと城へ乗り込みますが、ムドーの幻術によって全滅させられてしまい、気がつくと主人公は山奥の村・ライフコッドにいました。
そして、主人公は村祭りのための王冠を取ってきてもらいたいという村長からの頼まれごとをこなす道中で、大穴に落ちかけている冠職人のビルテを助けようとした際に自分が落下してしまい、もう一つの世界「幻の大地」の存在を知ります。
その後、レイドック城の兵士となった主人公はハッサンやミレーユらとともに、上下2つの世界を巡りながら、ラーの鏡を使ってムドーの幻術を封じ、見事に討伐します。
ムドー討伐後、上下2つの世界が「夢の世界」「現実の世界」であるということを知った主人公は、ムドーの幻術によって離れ離れになってしまった自分自身の「本体」を探すための旅に出ます。
旅の道中で魔王ムドーすら実は大魔王の手下にすぎなかったことが分かり、この夢の世界と現実の世界を飲み込み支配せんと「狭間の世界」に潜んでいるデスタムーアを打倒するというのが本作の物語です。
この「夢の世界」と「現実の世界」という設定がとても分かりにくいのですが、「夢の世界」の人物は「現実の世界」の人物が見ている「夢」であるということが分かると細かい伏線やセリフ回しに感動する描写もあることでしょう。
このようにドラクエ6は初見では分かりにくく、また説明もあえてしすぎずにプレイヤーの想像の余地を残しています。やればやるほどに面白みを感じるタイプの作品なので熱狂的なファンも多数います。
職業の熟練度システムやスライム闘技場などといったやり込み要素も多いので、ハマる人はどっぷりハマってしまう、そんな魅力を持った作品ですね。