■ジャンルはダンジョン育成シミュレーション、でも本当は…?

 雑誌などでは、本作のジャンルは「シミュレーション」と紹介されていました。しかし、実際に遊んでみると、全然シミュレーションの枠に収まっていないことが分かります。

「パズル」的にダンジョンを作っていく「ダンジョン作成」。そしてそれを円滑に運営し、強化していくという「ダンジョン育成&運営シミュレーション」。ダンジョンに侵入してくる敵を主人公(プレイヤー)がアクションで攻撃し、それによりレベルアップするという「アクションRPG」。さらに仙獣(モンスター)を召喚して主人公とともに侵入者と戦ってレベルを上げることができる「モンスター育成」という側面もあります。

『カオスシード』にはアクションゲームのような要素も

「ジャンルのデパートか!」とうなるほど、多様なゲームジャンルがいりまじったゲームにもかからわず、ゲーム性が破綻することなくまとまっているのはひとつの奇跡だと思います。

 その一方で「こういうゲームだよ」とひと言で説明できないため、オススメしたくても布教に苦しんだ方もいることでしょう。筆者もその1人で、遊び方が分かればこれほど面白いゲームはないのに、短時間で分かりやすく説明できない自分にイラ立ったものです。

 今ならば「自分の作ったダンジョンで敵を迎撃するタワーディフェンスだよ」のひと言で終わるのですが、当時は「タワーディフェンス」なる言葉もゲームジャンルも存在せず、「この言葉があのときあればもっと布教できたのになぁ」と思ってしまいます。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5