■中国風ファンタジーに見えて、実はガチSF!?

 “五行思想”や“仙丹”といった言葉でピンと来た方もいると思いますが、『カオスシード』は中国風ファンタジーが舞台。主人公は洞仙と呼ばれる龍脈を管理して、大地を守護する仙人です。

 枯れた龍脈を復活させるためにダンジョン(仙窟)を作って、龍脈にエネルギーを流すのですが、その際に大地震が起きてしまうため、主人公は世間からは悪の仙人のように思われ、ダンジョンに討伐隊が侵入してくるので仕方なく迎撃する……といった設定です。

 ちなみにこの洞仙には「瞳孔が四角い」という特徴があるのですが、岩や石つながりで『Fate/stay night』や『Fate/Grand Order』に登場するライダー・メドゥーサの石化の魔眼の「デザインの元ネタなのかも?」と個人的には思ったりもしてます。

 本作には全10シナリオあり、シナリオ1からシナリオ5がメインストーリーで、残りの5シナリオは後日談や、やりこみ系シナリオとなっています。このメインストーリーがかなり衝撃的な内容で、主人公はシナリオ1のボスに“複数の存在”に分割され、それぞれが平行世界(シナリオ2~4)に封じられてしまいます。

秀逸なシナリオに引きこまれること間違いなし!

 そこで主人公は、それぞれ平行世界で龍脈を復活させて事件を解決し、元の世界へと戻ってボスを打倒する……というファンタジーというより、ガチなSF寄りのストーリーが展開されるのです。

 このストーリー構成は秀逸のひと言で、ゲームのラストには「なるほど、そうくるのか!」と何度もうならされたモノ。この巧みなシナリオは、斬新なゲームシステムとともに本作を高く評価したい大きな要素でもあります。

 ちなみに、メインストーリーの各シナリオはマルチエンドになっていて、それぞれ違う結末も楽しめます。シナリオ1の初回プレイは必ずボスに倒されて物語が分岐するのですが、実はあらためてシナリオ1をプレイすることでボスを倒すことも可能だったりします。そんな自由度の高さも本作にひかれた一因です。

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