■自分の手でやることでしか味わえない「凄み」
本作はシリーズ初代作品でありながら、その後のシリーズの根幹がほぼ完成しきっているという高いクオリティを誇っています。
『ドラゴンクエスト』などのナンバリング作品はどこから遊んでも楽しめますが、本作は時系列もあるので、一応初代から遊んだほうが内容が分かりやすいです。しかし、24年前のゲームを今からやるのは気が進まないから『新サクラ大戦』をやってみよう、という方も多いでしょう。また、遊べる環境がないがために実況動画やプレイレビューのネタバレを見て、シナリオを補完しようとする人もいるかもしれません。
私もここまで長々と書いてきましたが、結局本作の魅力はプレイヤーが自分の手で自分の思うがままに遊ぶことでより輝くものだと思っています。どんなゲームもそうだと思いますが、このゲームは特にそれが顕著です。
これだけの要素を詰め込みながら、プレイヤーが遊び方を選べる「余白」を入れてくれているのも大きなポイントで、ミニゲームの花札「こいこい」にハマったプレイヤーも多いことでしょう。(私が紅蘭好きすぎるだけかもしれませんが)
未プレイの方にはぜひ『檄!帝国華撃団』のイントロが流れただけで鳥肌が立つほどの「凄み」と「迫力」を感じ取ってもらいたいなと思っております。
『サクラ大戦』が好きな人の中には、そもそもギャルゲーや恋愛シミュレーションというジャンルを触れてこなかったという人も多いです。どんな人が遊んでも、どこを切り取っても、必ず「面白い」「好きだ」と言わしめるパワーを放ち、多くの人を魅了してきた『サクラ大戦』の底力、この機会に食わず嫌いなあなたもぜひ体感してみてはいかがでしょうか。