■恋愛要素だけじゃない!戦略シミュレーションとしての『サクラ大戦』
では、肝心の黒之巣会たちから帝都を守るための戦いについて説明します。本作は、RPGなどのバトル形式ではなく、『ファイアーエムブレム』のようなシミュレーション形式となっています。
隊長である大神が指揮を執り、各シナリオごとに決められたメンバーを率いて戦闘を行います。戦闘不能になると信頼度が大きく落ちてしまうので、体力には十分に注意を払いながら敵をせん滅させましょう。ホントにこんな数の敵倒すの!? と思うほどたくさんの敵が出てくることもありますが、それぞれのキャラクターがもつ必殺技を駆使すれば、実のところ「ゴリ押し」で行けたりもします。
また、大神だけほかの機体を「かばう」ことができます。味方を守って、被ダメを最小限にすることが大きな目的ですが、味方の信頼度を上げるためにそんなにピンチでもないけどあえて守る、ということも可能です。
ちなみに私のオススメは、すみれ様をかばいながら前衛でガンガン押してもらうかたちです。紅蘭のロボも強いですよ。機体自体は弱いですが……。
かわいい彼女たちがゴリゴリの機体に乗って戦う様子は、これまでの展開と打って変わってけっこう武骨です。確かに光武がガシャガシャガシャガシャーンと移動していく様子に、これまでの可憐さやかわいさを感じることは難しいですが、それでも戦闘中にカットインで入るセリフや戦闘の背景などで雰囲気を保っているので世界観が壊されることはありません。むしろこっちが本編だという方も多くいらっしゃるでしょう。
アニメーションやその演出、恋愛シミュレーションとしての側面ばかりではなく、『サクラ大戦』の「大戦」の部分にもこだわりが見えます。
その一つが、先ほど少しだけ書いた「必殺技」です。
各キャラごとに覚える技にそれぞれ個性があり、たとえば先ほどオススメしたすみれ様は長刀で並んでいる敵を同時に攻撃できるのですが、必殺技を使えば自分の周囲への範囲攻撃ができるのでとても便利です。
アイリスは回復、カンナは単体ぶん殴り、マリアは遠近両用、さくらは射程が無制限、紅蘭は自作のロボというそれぞれの色があり、威力も様々。こうした機体の特徴を考えながら、前衛・後衛を決めて指揮をするのがプレイヤーの仕事です。隣接しているときだけ使える合体技もあるので、1人だけ前に出しすぎたりしてもなかなかうまくいきませんよ。
はじめは難しいかもしれませんが、戦闘の難易度は他の戦略シミュレーションゲームに比べれば低いほうなので、初心者でも簡単に遊べるかと思います。なので、戦略シミュレーションの入門編として遊んでみるのも良いかもしれません。機体数も少なめで覚えることも多くないので、ゲームが苦手な人でも十分最後までクリアできると思います。