■今もなお色あせない思い出深い作品

どせいさん

 いつどの世代の人が遊んでもそれぞれの視点で感動できる、そんな味わい深さがある『MOTHER2』。子供の頃のノスタルジックな思いに身をゆだねてみてもいいし、そんな子供たちを今のご自身の大切な人に重ねてみても良いでしょう。

 また本作では「敵を殺す」という表現もありません。少年少女に「殺し」をさせるわけにはいきませんからね。動物の敵であれば「おとなしくなった」。人間の敵であれば「われにかえった」。など、その表記で命のやり取りまではしていないことが分かります。こういったところからも優しさ・暖かさを感じます。

 少年たちの冒険の中で生まれるさまざまな感情の連鎖とクライマックスのネタバレ厳禁なあの展開、そしてエンディング。すべてが緻密に計算されているのに、その「ずるがしこさ」を感じさせない優しいつくりは圧巻です。

 RPGとしてのバランスも良くできており、そうびやアイテムを集めていく楽しみも十分にあります。アイテムの説明文も逐一チェックしてほしいですね。

 そんな魅力たっぷりな本作、未プレイの方はぜひ遊んでみてはいかがでしょうか? そして、既プレイの方はこの機会にもう一度遊んでみてはいかがでしょうか。『SMILES and TEARS』でも聞きながら。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
全ての写真を見る