■『燃えプロ』独自の「対戦の定石」が誕生?
『燃えプロ』のゲームモードは、友だちと対戦ができる「VSモード」と、130試合を戦い抜く「ペナント」が用意されています。
VSモードでは、通常の野球ゲームでは考えられない「燃えプロならでは」の戦いを繰り広げました。「ホームランバッター」が相手のときは、高校時代の松井秀喜ばりに全打席敬遠があたり前。相手がファールを打ったあとは、クソボールを投げて強引にストライクを稼ぐといった、本作でしかありえない作戦が横行。それでも戦う相手と条件は一緒なので、『燃えプロ』を知り尽くした友だちとの対戦プレイは、なんだかんだで白熱して楽しめました。
一方「ペナント」のほうは、残念ながら自分は早い段階でギブアップ……。というのもいろんな演出をリアルな野球に寄せすぎた結果、ゲームのテンポがものすごく悪いんです。ボールを受けたキャッチャーは毎回ピッチャーに投げ返し、打者交代の場面では、「バッターボックスから出る→バックスクリーンに次の選手の名前が表示される→ネクストバッターズサークルから次の選手が歩いてくる」という一連の流れを毎回表示。それもスキップ不可能という謎仕様でした。
『燃えプロ』では、およそ一試合を終えるのに1時間程度かかると思いますが、ほかの野球ゲームに比べると長い! それをペナントの優勝ラインである80勝あたりまで頑張ることはできませんでした。
ちなみに、試合を終えるたびにパスワードが表示される仕組みですが、当時のファミコン雑誌には、裏技として、各チームごとの優勝直前のパスワードが掲載されたほど。それだけ『燃えプロ』のペナントで優勝するのは“大仕事”だったのです。