■『幽☆遊☆白書』連載終了後も揺るがず…すべてが主力級の連載陣
この伝説号を語るうえで興味深いのが、黄金期の立役者だった冨樫義博さんの『幽☆遊☆白書』が、すでに同年の「1994年32号」で連載を終えていたことだ。つまり、653万部という空前の記録は、絶大な人気を誇った『幽☆遊☆白書』が不在の中で達成されたのである。
それでもなお、誌面の顔ぶれは圧巻だった。連載開始から約半年で人気が急上昇していた『みどりのマキバオー』(つの丸さん)、後の時代をけん引する『るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚−』(和月伸宏さん)、『地獄先生ぬ〜べ〜』(原作:真倉翔さん、作画:岡野剛さん)などが勢いを見せていた。
さらに、『DRAGON QUEST ーダイの大冒険ー』(監修:堀井雄二さん、原作:三条陸さん、作画:稲田浩司さん)、『NINKU ー忍空ー』(桐山光侍さん)、『とっても!ラッキーマン』(ガモウひろしさん)といった人気アニメ化作品が脇を支える。
加えて、『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦さん)、『ろくでなしBLUES』(森田まさのりさん)、『新ジャングルの王者ターちゃん』(徳弘正也さん)、『キャプテン翼』(高橋陽一さん)、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治さん)といった重鎮たちも顔をそろえていた。
そして、特別読切の豪華さも見どころだ。『電影少女』の連載を終えていた桂正和さんが、『SHADOW LADY』の読切版を発表。さらに梅澤春人さんも、連載中の『HARELUYA II BØY』に加えて『NANPO U DEN 〜南方遊伝〜』を描き下ろし、この号では異例のW掲載を果たしている。
看板作品から実力派作家による読切まで、充実の顔ぶれが1冊に集結したことが、『週刊少年ジャンプ』黄金期の凄まじさを何より物語っている。
この記録的な号は、日本中の少年たちが発売日を心待ちにし、ただ純粋に漫画に胸を躍らせていた「1990年代」の熱気をそのまま閉じ込めた、いわばタイムカプセルのような存在である。
653万部という空前絶後の数字には、当時の『週刊少年ジャンプ』に込められた熱量がそのまま反映されているように思えてならない。
■600万部超えには理由が!?「ジャンプ黄金期」当時の編集長が明かした秘密をチェック



