2026年7月13日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)33号が、限定付録や人気作品の連載終了により各地で売り切れとなる事態が相次いでいる。1968年の創刊以来、数々の大ヒット作を世に送り出してきた同誌だが、歴史を遡るとさらに驚異的な数字を叩き出した伝説の時代が存在した。
653万部——この数字は、現在も破られていない『週刊少年ジャンプ』史上最多の発行部数だ。
その記録を打ち立てたのが、1994年12月20日に発売された「1995年新年3・4合併号」である。「最も発行部数が多い単一の漫画雑誌」としてギネス世界記録にも認定されており、まさに『週刊少年ジャンプ』人気が頂点に達した瞬間を刻んだ、歴史的な1冊といえるだろう。
当時はもちろん電子版などない時代。人気作品の続きを読むには、発売日に店頭へ向かうしかなく、多くの少年たちが毎週月曜の発売日を心待ちにしていた。
では、史上最多発行部数を記録した驚異の1冊には、一体どんな内容が詰め込まれていたのだろうか。今回は、その伝説的な誌面を振り返っていきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■表紙から圧巻! 653万部記念号の豪華すぎる中身
まず目を引くのが、表紙から伝わる“お祭り感”である。人気作品の主人公たちがぬいぐるみ姿で大集合。当時ブームだったUFOキャッチャーの景品を彷彿とさせるデザインに、「またまた新記録! 発行部数653万部突破記念号!」のキャッチコピーが躍る。
価格には「読者応援価格」と書かれ、定価210円であった。現在は320円前後で販売されていることを考えると、その手頃さにも時代を感じる。
表紙をめくると、巻頭付録には『DRAGON BALL』の超特大ポスターカレンダーが付属。プレゼント企画では、当時発売されたばかりの『プレイステーション』や『セガサターン』に加え、発売当日に届く『クロノ・トリガー』のソフト2000本とテレホンカード5000枚が用意されていた。
さらに巻末には人気の読者投稿コーナー『ジャンプ放送局』のチャンピオン発表が掲載されるなど、まさに最初から最後まで祝祭感あふれる1冊だった。
■『SLAM DUNK』と『DRAGON BALL』2大看板が絶頂期!
もちろん、最大の魅力は圧倒的な豪華連載陣である。
まず誌面のトップを飾ったのは、井上雄彦さんによる『SLAM DUNK』。この号では、1話丸ごとフルカラーという破格の仕様だった。
物語はインターハイ2回戦の湘北対豊玉高校戦。前半で“エースキラー”南烈のラフプレーによって目を負傷した流川楓がついにコートへ復帰し、後半戦の幕が上がるという重要な1話が描かれている。
一方、鳥山明さんによる『DRAGON BALL』は連載10周年を迎え、物語はクライマックスの「魔人ブウ編」に突入していた。
この号では、潜在能力を解放した悟飯が魔人ブウと激突する一方、大界王神の命と引き換えに孫悟空が復活。地球の命運をかけた戦いが、まさに佳境を迎えていた。
「ジャンプ黄金期」を支えた2大看板が、ともに最高潮の盛り上がりを見せていたのである。今振り返ると、この2作品を同時にリアルタイムで読めたこと自体が、『週刊少年ジャンプ』黄金期ならではの、この上ないぜいたくだった。


