■【逆境を乗り越えた努力型】挫折を力に変えた!『アオアシ』槇村嬰人

 Jリーグのユースチームというリアルな舞台を描いた『アオアシ』(小林有吾氏)からは、青森星蘭高校サッカー部のGK・槇村嬰人を挙げたい。

 主人公・青井葦人が所属する東京シティ・エスペリオンユースは秋山円心が正GKを務めており、ジュニアユース時代、槇村は秋山の控え的な存在だった。さらに、当時は“身長が低い”という理由でユースチームへの昇格もかなわず、彼は自身を厳しい環境に追い込むため、青森星蘭高校への進学を決意する。

 家族同然だったクラブに裏切られたと感じた槇村は、“打倒エスペリオン”を胸に逆境を乗り越えていく。その努力が実を結び、彼はU-18日本代表に選出されるまでに成長。そして、プレミアリーグのエスペリオン戦では魂を込めたビッグセーブを連発し、かつての仲間を大いに苦しめた。

 高校では成宮監督の的確な指導のもと、余計なプライドをいっさい捨て、「言われたことはなんでもやる」という姿勢でがむしゃらに努力を重ねていく。そのひたむきな執念と、挫折を力に変えて徹底的に自身を追い込み続けた努力の男……それが槇村という守護神なのである。

■【武闘派の攻撃型】空手仕込みの気迫でゴールを守る!『キャプテン翼』若島津健

 最後に『キャプテン翼』から、もう1人忘れてはならないGKを挙げたい。それはもちろん、若島津健である。攻撃的なプレースタイルが魅力の彼は、若林の不在時は間違いなく日本最強のGKだった。

 東邦学園中等部時代、監督との確執でキャプテンの日向小次郎が試合に出られない時、ゲームキャプテンを任された若島津。全国大会準決勝の明和東中学戦では、自ら自陣を出てスライディングでボールを奪取。GKとは思えない華麗なドリブルで敵陣を切り裂いて、ゴールを決めるという驚きのプレーも見せている。

 若堂流空手の使い手でもある彼は、優れた身体能力を活かした独自のセーブ術と足技の技術を持つ。そして彼の気迫と闘志は、“猛虎”と称される日向にも負けないものがある。

 「ジュニアユース編」のフランス戦では、右手首を負傷して出血しながら、エル・シド・ピエールのボレーシュートを阻止。最後はPK戦で、ルイ・ナポレオンの必殺シュート「キャノンショット」を右拳の正拳突き(正拳ディフェンス)で防いだ。

 ゴールポストを利用して跳躍する「三角跳び」をはじめ、彼の繰り出す必殺技は、当時の少年たちがこぞって真似をしたものだ。彼はまさに“武闘派”の名にふさわしい、攻撃型GKの代表格といえるだろう。

 

 さて、ここまで日本のサッカー漫画史を彩った個性豊かなGKたちをタイプ別に紹介してきた。この強力な顔ぶれの中から日本代表を託す「最強GK」を1人選ぶとしたら、やはりワールドクラスの実力を持つ若林源三が一歩リードしているかもしれない。

 小学校卒業後にドイツへと渡り、名門クラブで世界トップクラスのストライカー・シュナイダーを相手に日々練習を重ねてきた経験と実績は圧倒的だ。中学生にしてすでに世界を知っている彼こそ、日本の守護神候補にふさわしい存在といえるだろう。

 しかしGKに求める役割や、チームの戦術、仲間や観客の心を揺さぶる“熱さ”を基準にするなら、その答えは人それぞれ異なるはずだ。

 あなたが日本代表のゴールマウスを託したい、「最強GK」は誰だろうか。

 

読み返したい! Kindleで『キャプテン翼』をチェック

キャプテン翼 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
キャプテン翼 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
  1. 1
  2. 2
  3. 3