小学校時代のいじめを発端とする連続殺人事件を描く、ノンストップ考察ミステリー『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)。12月13日に放送された第9話ではついに「犯人」が明かされるも、次回予告ではその裏にいる「真犯人」の存在が示唆され、まだまだ予断を許さない展開が続きそうだ。
第9話放送後、Huluでは第9.5話「犬」も配信され、その中で出てきた一部描写にも「重大伏線なのでは?」という声が寄せられている。最終回放送直前ということで、本記事ではこれまでの展開を整理しつつ、「真犯人」につながりそうな伏線、そして今なお未解決の謎を洗い出していこう。
※本記事は『良いこと悪いこと』第1~9話、9.5話(Huluオリジナルストーリー)の内容を含みます。
■犯人判明後も残された“謎”の数々
第9話では、「ターボー」こと小山隆弘(森本慎太郎さん)が警視庁捜査一課刑事・宇都見啓(木村昴さん)に殺害されるという衝撃の展開が描かれた。
実は宇都見は、「ドの子」――瀬戸紫苑(大後寿々花さん)の婚約者だった。紫苑は1年前、自分をいじめていた「キング」こと高木将(間宮祥太朗さん)との偶然の再会をきっかけに、過去のトラウマがよみがえり自ら命を断っていた。宇都見はその復讐のため、一連の事件を引き起こしたのだという。
これで実行犯が宇都見であることは判明した一方、いまだ不可解な部分はいくつかある。
まず、宇都見が過去の犯行を振り返る回想に、「カンタロー」こと桜井幹太(工藤阿須加さん)が営む居酒屋「北の桜」に火をつけたシーンと、記者会見中の小山の頭上にガラス板を落としたシーンが出てこなかったこと。単に“失敗した犯行”であるため含まれなかった可能性もあるが、この2つに真犯人が深くかかわっているのではないかとも予想されている。
そもそも、小山以外については「手を下している場面」ではなく「遺体を見つめる場面」しか出てきていない。そのため、SNS上では「本当に宇都見が全員殺したのか」と疑う声までみられる。たしかに、羽立太輔(森優作さん)の殺害シーンで首を刃物で刺して殺害しているにもかかわらず、宇都見が返り血ひとつ浴びず、綺麗な姿をしていたのはいささか不自然に見える。
また、羽立が殺害されたのは、「博士」こと森智也(古舘佑太郎さん)に会いに行った時だが、その場所をなぜ宇都見が知っていたのかも謎である。というのも、2人は「鷹里小の森・掲示板」でのやりとりで会う時間と場所を決めており、さらに場所については「小6の時に校外学習で行った場所で」という、関係者でなければわからない表現をしているのだ。
同じく、殺害の方法や順番に深くかかわる「将来の夢の絵」と「替え歌」も、高木ら学校関係者でなければ知りえない情報のはず。このうち、絵は卒業記念のDVDを見ることで分かるかもしれないが、それ以外の情報も含めると、宇都見の力だけでこれらを把握するのは困難だろう。
つまり、これらは宇都見に情報を提供、あるいは行動を共にしていた人物が、高木や猿橋園子(新木優子さん)の身近にいることを示唆しているともいえる。
その点でいえば、少なくとも当時の担任教師・大谷典代(赤間麻里子さん)が手を貸していたことは間違いないだろう。ただ、なぜ犯罪に協力せざるを得なかったのか、なぜ命を奪われる結果となったのかは闇のままだ。また、彼女が持っていたはずの卒業記念DVDを森が保管していたことから、森の関与も疑われる状況ではある。
いずれにせよ、実行犯・宇都見には共犯者=「真犯人」が存在するのは確実と言える。


