通信ケーブルだけじゃない!任天堂携帯ハード『ポケモン』と共に生まれた「ユニークすぎる周辺機器」の画像
ゲームボーイアドバンス専用『カードeリーダー+』(任天堂)

 世界中を旅するRPG要素、ゲットしたポケモンの育成要素、戦略が重要となるバトルといった普遍的なゲーム性で、今なお子どもだけでなく大人の心をも鷲掴みし続けている『ポケットモンスター』シリーズ。

 1996年に初めてゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター赤・緑』が発売されて以来、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DS、Nintendo Switchなどさまざまなハードで本編シリーズや関連ソフトが発売されてきたが、それにともない次々と発売されたのが多種多様な周辺機器である。『ポケモン』ほど、周辺機器によって様々な楽しみ方ができるソフトはないのではないだろうか。今回は、そんな懐かしの周辺機器たちを振り返ってみよう。

◾️持っている人は人気者だった「通信ケーブル」

 まずは、楽しさの幅を一気に広げた「通信ケーブル」。ゲームボーイ系とゲームボーイアドバンス系のハードで発売された周辺機器で、2台を繋いでポケモンの交換や対戦が可能になるというアイテムである。

 今でこそインターネットを利用したオンライン通信が当たり前になったが、当時一人でポケモンの収集や育成をしていたプレイヤーにとって、友人と繋がれる通信ケーブルの存在はとんでもなく魅力的だった。  

 一人では集められないポケモンを通信交換を使って入手することができるし、中にはユンゲラーやゴーリキー、ゴーストなどのように通信でしか進化しないポケモンもいるのだ。友人とケーブルを繋ぐときのワクワク感を、今でも鮮明に覚えているというプレイヤーも多いのではないだろうか。

 ネックとなるのは、持っているゲームボーイの機種によっては接続できないことで、初代ゲームボーイ用の通信ケーブルは、変換コネクタを使用しなければ、ゲームボーイカラーやポケット、ライトといった後継機とは接続できなかった(後継機は専用の通信ケーブルも発売された)。

 それはゲームボーイアドバンスも同様で、後継機であるゲームボーイミクロは専用の通信ケーブルが発売され、以前の機種と通信するには、やはり変換コネクタが必要だった。

 ただ、通信ケーブルは別売りであり、当時、ゲームボーイで遊んでいた子ども全員が持っているというわけではなかった。自分で買ったり親に買ってもらったりと入手経路はさまざまだが、いずれにせよ通信ケーブルを持っている人は周囲に人が集まり、場のヒーローになるくらい注目を集めていたものである。

◾️通信ケーブルは超えられず?「ワイヤレスアダプタ&モバイルアダプタ」

 通信ケーブルは、長いケーブルを持ち歩かければならないという手間がある。また、通信ケーブルを繋ぐときなどはごちゃごちゃしてしまったりもする。そんなモヤモヤを吹き飛ばすアイテムが「ワイヤレスアダプタ」だ。

 対応ハードはゲームボーイアドバンスで、当初は『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』に同梱されるかたちで登場し、後にゲームボーイミクロ用とともに単体発売された。コンパクトなので持ち運びが楽な点、数メートルほど離れていても安定した通信ができるというのが利点である。ゲームボーイの通信ケーブルとは違い、部屋の端から端まで離れても通信できたため、どこまでいけるか実験したなんて人もいるのではないだろうか。

 ただ、同アイテムは向き合っていないと通信が安定しない点や、そもそも相手もワイヤレスアダプタを持っていないと使えないという点、『ルビー・サファイア』には対応していない点などがネックに。ケーブルを超える爆発力は出せなかった。 

 同じように、いまいち広がりを見せなかったのが「モバイルアダプタGB」だ。これは『クリスタル』のみに対応していたアイテムで、PHSを含む携帯電話と本体を接続することで“オンライン通信”が可能になるというもの。バトルタワーで他のプレイヤーとバトルができたりセレヴィが入手できたりと、楽しさはてんこ盛りである。

 短命に終わってしまった理由の一つとして、金銭的な問題があげられる。というのも、同アイテムは電話を介しているため通話料が発生するのだ。当時はパケット定額などもないため、遊べば遊ぶほどお金がかかってしまう。さらにコンテンツ利用にも料金が発生するので、子どもにとっても親にとってもなかなかハードなアイテムだった。

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