■渾身の“体当たり”で逃亡犯を止めろ! 『チェイスH.Q.』

 刑事が主人公のゲームでは、これまで紹介したようなアクションやシューティングの要素が強めの作品が多いが、一方で“レースゲーム”のような一風変わったジャンルをベースとした作品も登場している。

 1988年にアーケード版が稼働し、のちにさまざまなハードに移植されたタイトーの『チェイスH.Q.』こそ、そんな“刑事”と“レース”を見事に融合させた一作だ。タイトルが示す通り、本作は車で逃亡を図る犯人を車で追いかけ、逮捕することが目的となっている。

 ゲームの内容としては逃走中の犯人に追いつく“前半パート”と、犯人と激しいチェイスを繰り広げる“後半パート”に分かれており、全5ステージで構成されている。

 前半パートでは画面に現れる矢印通りに分岐を選び、犯人へと迫っていく。表示された方向にいかないとタイムロスになってしまうため、素早く操作し、表示される道に進まなければならない。

 そして、後半パートになると、犯人の車を追いかけてなんとかその足を止める必要があるのだが、この方法が銃による射撃などではなく、なんと“自分の車をぶつける”というぶっ飛んだ方法なのだから驚かされてしまう。

 また、プレイヤーが操作する車には回数限定で使える“ターボ”が備え付けられており、一定時間、犯人と並走をすることでも逮捕は可能だ。

 卓越したドライブテクニックで相手と並走し、穏便に済ませるのも良し。車同士をぶつけ合い、容赦なく相手の車を破壊して引きずり下ろすのも良し。

 レースというジャンルを独特の世界観にアレンジした、実に個性的な一作といえるだろう。

 

 ゲームに登場する“刑事”たちは皆、現実離れした破天荒な活躍で群がる敵をなぎ倒し、力技によって凶悪犯罪を鎮圧化してみせる。アクション、シューティング、レース……さまざまなジャンルで大暴れする“トンデモ刑事”たちの活躍を、ぜひ自身の手で体験してみてほしい。

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