24年ぶりにドラマ化『ブラック・ジャック』にも期待大! 『岸辺露伴は動かない』や『るろうに剣心』にも…高橋一生の実写化作品での活躍を振り返るの画像
ドラマ『岸辺露伴は動かない』(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社 (C)2021 NHK / P.I.C.S.

 今年、24年ぶりにドラマ化が発表された、手塚治虫さんの名作医療漫画『ブラック・ジャック』。2024年6月30日に放送予定の本作では、主演を人気俳優の高橋一生さんが務めることが発表され、話題を呼んだ。そこで、多種多様な実写化作品において高い実力を発揮する高橋さんの登場作について振り返っていこう。

■漫画原作ゆえの“癖”の強い個性派キャラクターたち

 高橋さんと言えば、物静かでミステリアスな雰囲気のキャラクターを演じることが多い印象がある。

 なかでも代表的なのが、荒木飛呂彦さんの大人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品を原作としたドラマ『岸辺露伴は動かない』の主人公・岸辺露伴だろう。

 天才漫画家である露伴は、“対象を本に変えて過去や真実を読み取る”という能力を持ったキャラクターだ。漫画に必要な“リアリティ”のためにあらゆる危険や怪異に足を踏み入れ、終始、エキセントリックな言動で周囲を振り回す。

 露伴の個性的なビジュアルもさることながら、高橋さんの演技はまさに“完コピ”レベルで、まるで漫画から露伴が抜け出てきたように錯覚してしまうほど。その再現度の高さから、ファンや視聴者を大いに驚かせた。

 なお、『岸辺露伴』シリーズは5月に新作エピソード「密漁海岸」が放送予定である。高橋さんの相変わらずの破天荒な露伴像に期待したい。

 また、2019年放送のドラマ『凪のお暇』(原作:コナリミサトさん)で高橋さんは、主人公・凪の元彼である我聞慎二を演じた。営業部のエースでありながら他人に支配的な“モラハラ男”という癖の強い役柄だったが、高橋さんは見事に演じきっていた。

 とくにドラマのなかで慎二がことあるごとに見せる“号泣”シーンは話題となり、言葉に詰まりながらも必死に自身の心情を吐露する様子に多くの視聴者が心を惹きつけられた。

 いずれのドラマでも癖の強いキャラクターたちを演じている高橋さんだが、彼らの持つ奇天烈さと人間臭さを見事に同居させており、その作品をより魅力的に見せている。

■主役たちを支える名脇役も多し

 高橋さんはメインキャラクターのみならず、主役たちを支える“名脇役”も数多く演じている。

 たとえば、2017年に公開された『3月のライオン』(原作:羽海野チカさん)では、1年遅れで高校に編入してきた主人公・桐山零に対し、孤立した彼を思って気さくに声をかける高校教師・林田高志役を演じた。

 原作でも零や他の生徒たちの良き相談役として活躍したキャラクターだが、実写版でもその大人としての頼りがいある姿は健在。零が屋上で寂しく昼休みを過ごすシーンでは、カップラーメンを片手に現れ、生徒と教師という垣根を超えた和やかな会話を展開していた。

 なにげない立ち振る舞いではあるが、一方で孤立する若者にとっての“心の救い”となる、実に重要なポジションのキャラクターといえるだろう。

 また、ときにはギャグテイストの強い作品にも登場している。2008年に公開された『デトロイト・メタル・シティ』(原作:若杉公徳さん)では、主人公・根岸崇一とともに大学で“ポップミュージシャン”を目指す後輩・佐治秀紀役を演じている。

 先輩である根岸に純粋に憧れる青年で、姿形が変わっても先輩のことを追い続けるピュアな一面と、ちょっとした仕草に幼さが見え隠れする可愛らしさが特徴的だ。タンバリンを叩いたり、先輩を追いかけて走る際に不意に飛び出す“内股”姿は必見である。

 ときには誠実な大人として、そしてときには可愛らしい後輩役として……場面ごとに立ち位置も性格もまるで異なる人物を演じ切れるのは、高橋さんの柔軟な表現力があるからこそだろう。

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