■マイクロソフトが『パルワールド』の開発支援を決定

 本作に影響を与えただろう国民的ゲーム『ポケットモンスター』シリーズは、第1作目から約28年が過ぎ、これまでに9作ものシリーズ本編作品をリリースしている。その間にキャラクターが3D化し、最新作『~スカーレット・バイオレット』ではオープンワールド化を果たしたが、基本的なゲームシステムは変わっていない。いわば、初代の出汁を継ぎ足して変わらぬ味を守ってきた伝統の逸品と言えるだろう。

 それだけに安心のブランドになっているし、エンターテインメントとしての完成度は高くなっている。しかしその一方で、大胆な変化は取り入れにくい側面もあるだろう。

 それに対して『パルワールド』は、カルフォルニアロールやアボカドロールのような、海外の文化を織り交ぜた現代料理だと言える。新しいものを柔軟に取り入れて、客を喜ばせようという意識を感じるのだ。

『パルワールド』をリリース後、ゲーム機「Xbox」シリーズを展開しているマイクロソフトは、『パルワールド』の開発支援を決定。専用サーバーの実装など、様々な技術的なサポートをすることを発表した。一節には『パルワールド』の開発をしているポケットペア社の買収をマイクロソフトが検討しているという真偽がつかめないニュースも流れてきている。この波紋はまだまだ大きくなりそうだ。

 インディー・ゲームらしい野心に満ちあふれたゲームといえる『パルワールド』だが、「ポケモンのパクリ」という強い印象を与えたこともまた事実。

 現状はまだアーリーアクセスの段階で、おそらくこれから正式版のリリースとなるのだろう。『ポケモン』との類似点がはたして今後どうなるのか。「パクリ」という不名誉な称号を、これからも背負っていくのか。システム的には良いゲームだけにそこが気になってしまう。今後の正式版のリリースを楽しみに待ちたい。

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