■「わざマシン」という名前の技も…本来覚えない技を覚えさせるバグ技で運試し

「カメックスが"かえんほうしゃ"を使う」「ピカチュウが"はっぱカッター"を使う」など、仕様上ありえない技を覚えさせられるバグも『ポケモン 赤・緑』には存在した。

 ある動作をおこなってから戦闘を始め、要らない技にカーソルを合わせてセレクトボタンを押すと技が変化する、というものだ。手順が短くお手軽にポケモンを改造できるので、使いまくった思い出がある人も多いだろう。

 欠点としては、どんな技を覚えるかはまったく予想できないこと。現在ではバグ技の研究が進んで技を自由に選べる条件が判明しているが、当時はそんな法則を知る者はいなかった。

 理想の技を覚えるかは運次第だとみんなが信じており、まるでおみくじを引くかのようにバグを使い、ポケモンに新たな技を覚えさせたのである。

 正規の技に変化すればいいほうで、ひどい時は「わざマシン31」「ひでんマシン01」など、技を覚えさせるアイテムを技として覚えるトンチンカンな事態も……。実際に使ってもまともな効果は期待できず、まさに大凶。対戦でそういう技を使うと「こっちのソフトまで壊れるだろ!」と、文句を言われたものだ。

 

『ポケモン 赤・緑』のバグ技にまつわる思い出を振り返ってみた。あなたが実際に使ったバグ技はあっただろうか。

 それにしても、こう見てみるとあの頃の筆者や友だちは、まるでポケモンをエゴで改造するマッドサイエンティストのようだ。

「ポケモン」アニメ映画には、人間の手で造られたミュウツーが人間への復讐を誓う『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』という名作がある。ならば当時の子どもたちは、バグまみれのポケモンに逆襲される側だったのかもしれない……?

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