■原作を知らない令和の高校生が名作『キャプテン翼II』をプレイしてみたら小言が多かった件(2023年6月17日公開記事)

 好きなファミコンゲームと言えば、真っ先にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)の名作『キャプテン翼 II スーパーストライカー』が思い浮かぶ。発売日が1990年7月と、すでにスーパーファミコンが同年11月に発売決定されており、まさに最後の名作ファミコンソフトともいえる。

 ハードが進化したあともシリーズは続くのだが、最高傑作と言っても過言ではないのが、このファミコン版でもある。筆者の長男は原作を知らないものの、よくYouTubeなど動画で目にするため興味を持っていた。そうか……ならば、押し入れから取り出してプレイしてみようではないか。さて、原作を知らない令和の高校生も楽しんでくれるのか。

●至高のオープニングに「ひらがな多いね」って…

『キャプテン翼II』を語るうえで欠かせないのが、至高のオープニングだ。ゲームはオリジナルストーリーながら、原作の3年後を舞台とした内容になっている。

 大空翼がブラジルゴールを目指すなんてファンにはたまらない。日向小次郎が「タイガータックル」を繰り出すシーンは興奮もの。「タイガーショット」ではなく、「タイガータックル」を持ってくるあたり、制作陣の『キャプテン翼』愛が見て取れる。

 続いて岬太郎の「ツインシュート」に、若林源三の「ワンハンドキャッチ」。前作では原作同様、出番が少なかったので、今回は若林を多用できるのかとワクワクしたものだったな。テンポの良いBGMもオープニングシーンにマッチしており、オープニングから神がかっていた。

 そして、優勝トロフィーとナレーション(文章のみ)が入り、最大のライバルがブラジルユースと判明する。原作ではブラジルとの対決がなかったので、これは鳥肌ものだった。

 長男も画面に集中していたので筆者同様に感動しているのか?と思いきや、「ひらがな多いね」ってオイ! ファミコンなんだから当たり前だろう。こっちが感動している間にひらがなを必死に読んでいたのか? どうやら令和の高校生には、ファミコンの文字は読みづらいらしい。「でも、わかばやしってカッコいいね」とひと言添えてくれたので、まあいっか。

●令和でもシステムは斬新! 必殺シュートの応酬で吹っ飛ばされる「レナート」にびっくり

 最初からプレイすると長男もさすがに飽きてしまうと思うので、当時、レポート用紙に書いて箱に入れておいたパスワードを活用した。まずは、ブラジルでのリオカップ準決勝から始める。

「へえ~! シミュレーション的な感じで新鮮!」この言葉を聞いて、筆者も思わずニヤリだ。ゲームシステムは今でも斬新といえるだろう。

 相手は名門のサントスだ。色違いの日向ともいえるザガロがおり、必殺シュートも強力だ。こちらはサンパウロFCで、翼と、意外と使えるバビントンによって軽快に試合を運んでいく。しかし、厄介なのがGKだ。サンパウロFCはレナートなのだが、コイツはちょっと悲しいくらい弱々しい。

 ザガロの必殺シュート「ダブルイール」で吹っ飛ばされてしまい、「え!」と、長男もびっくりしていた。そして、「あれっ? GK交代しないの?」と。何度も吹っ飛ばされるので心配になるのだろう。でも大丈夫、“ボールはともだち”だ! 「いや、ともだちに吹っ飛ばされても……」長男の小言が聞こえた。

 レナートのせいで何度も失点するものの、こちらもジウのスルーや翼のキーパーを交わすドリブルでなんとか逆転勝利! なかなかやるではないか長男。

 そして決勝のフラメンゴ戦は、ライバルのカルロスだけでなく、必殺シュートを持っているジェトーリオやサンタマリアもいるので、相変わらずレナートは吹き飛ばされていた……。

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