■今もリメイク作が愛される『FF2』
ステータスの上げ方や装備品を工夫しないとなかなか与しがたいゲームバランスである本作の難易度をさらに高めているのが、アイテムの所持上限。
戦闘中に使えるのは『ファイヤーエムブレム』よろしく、装備させているアイテムのみ。さらにその装備数は2個までで、序盤の回復はかなりしんどいものがありました。
ただ、後半になればアイテムに頼ることがあまりなくなっていくので大丈夫!……と思いきや、平常時にそもそも持てるアイテムの上限が全体で32個までというのも厳しい。
「ポーション」や「どくけし」など種類ごとに32個ずつ持てるのではなく、全体で32個なので進行上必要な重要アイテムが手に入ると持ち物枠をそれだけで圧迫するので結構しんどかった思い出があります。ファミコンの容量が少なかったのが最たる原因だったのか、リメイクでは徐々に緩和されているので遊びやすくなっています。ちなみにスマホ版では無制限で持てるそうです。
こういったかなりクセのあるシステムだったため、攻略法を編み出せた人とそれができなかった人で本作の捉え方が全然違います。
また容量の都合で、あるキャラの心情描写が乏しく、なんでそうなった? となってしまう部分もあり、重たいストーリーを楽しむのも難易度が高めといえるでしょう。(リメイク版ではセリフが大いに見直されていますが、この容量不足を想像力で補って楽しんでいたプレイヤーからすると、「それくらいの改変ならいっそ新しいシナリオを書いてくれ!」と思ったり……)
しかし、それでもこのゲームは多くのファンを掴んで離さない、不思議な魅力を備えています。万人受けするような作品ではありませんが、もしこの記事で少しでもプレイしてみたいと思ったら、ぜひ『FF2』をプレイしてみてください。
たくさんリメイクされているのでファミコンがなくても大丈夫。それだけリメイクされているということは、それだけプレイしたいと願っているプレイヤーが世界中にいるということですね。
筆者は小学生のときに投げて、そこからずっと先に大学の友だちに攻略法を聞いて初めてクリアしました。それでも、この作品の味わい深さを実感できたので、攻略サイトが山ほどある今ならきっとゲームが苦手な人でもストーリーを楽しみながらクリアできるはずです。35周年を迎えた今、プレイしてみてはいかがでしょうか。