■ファミコン版は難しすぎた…。情報が少ないし、敵も強い…。

『FF2』は、初期FFではおなじみの「ジョブ」がありません。それだけ聞くと自由度は少なそうに感じますが、なんと「経験値によるレベルアップ」もありません。これが大きな特徴でしょう。

 また、キャラクターはそれぞれに見た目や性別・性格に個性がありながら、装備品は誰でも何でも装備可能で、ステータスは戦闘時にHPがたくさん減ると最大値がたくさん上がり、MPを消費すればMPが上がっていく、という「プレイヤー次第でキャラクター育成ができる」というシステムでした。

 このレベルという概念に囚われないシステムは当時だけでなく、現在でもサガシリーズ以外ではほとんど見られないような斬新なもので、かなり癖のある作品だったと言えるでしょう。

 ちなみに筆者は、家にあったからという理由で小学生当時に本作を初プレイしたため、攻略本や説明書もなくドラクエの要領で始めた結果、めちゃくちゃ混乱しました。両手に武器を持たせて楽しんでいたら、途中で敵の素早さに全然勝てなくなり、状態異常でボコボコにされました。そしてそのままやめた思い出があるのですが、何も考えていないと終盤で本当に詰みかけるほど凶悪なイメージが筆者にはあります。(実は「誰かからの攻撃対象になって回避性能を上げる」ということを意識すれば攻略しやすい、遊びやすい難易度になる)

 システムだけでなく、隠しパラメータの存在も難易度に大きく関わっています。なかでも知らないとキツいのが、魔法の性能と回避率に関わる「魔法干渉」と「重さ」という装備品にまつわるもの。

 ドラクエではよく見る「○○のよろい」や「××のたて」といったものは、ほぼすべてが重く魔法干渉も高いため、「魔法は弱いし、重たくて回避もにぶい」という最悪の装備であることがほとんどでした。攻撃力と守備力という数字でしか能力を判断していなかった当時の筆者はなぜ勝てないのかが本当に理解できず、ひたすら雑魚敵を倒して必死にHPと攻撃力を上げていました。(終盤にこちらの最大HPに応じてダメージが上がる敵がいるので、HPを上げると詰みます)

 今思えば、もっと考えて工夫して遊ぶことで、もっと早く『FF』が好きになっていたのかもしれませんね。

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