■【番外編】Web CMも秀逸…! 未プレイヤーたちをふるいにかけた黄昏の恐怖『トワイライト プリンセス』
最後は『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』のCMを紹介したい。
本作は2006年にニンテンドー ゲームキューブとWiiにて発売された作品だが、今回紹介したいのは2016年にWii Uにて発売されたフルHD版のWeb CMである。
CM冒頭でいきなり、「ここから先は 閲覧注意。」というテロップとともに、リンクが絶叫しながら消滅する映像が流れる。そんな注意書きを突然出されても目が離せないのが、人間の性というもの。
そこからは気味の悪いモンスターが不気味にうごめく様子や、白目になった幼馴染のイリアがゆっくりとこちらを向き、ナイフを振りかぶる様子が流れるのだ。極めつけはCM後半、雪山の廃墟に住むマトーニャがぶるぶると震えだし、鬼の形相で振り返るシーン……。
ただただ怖い印象を与えるだけのこのCMは、「プレイしてみたい!」と思う人と「こんなもの見せるな!」という人で、はっきりと分かれてしまったのではないかと思う。
しかし本作はフルHD版ともあって、こうした強烈な印象のCMによって昔プレイしていた時の記憶が呼び起こされ、既プレイヤーの再プレイ意欲も掻き立てられたのではないだろうか。
良くも悪くも『ゼルダ』シリーズの広告としては強烈なインパクトで、多くの人の心を動かしたCMと言えるだろう。『ゼルダ』が単なるホラーゲームではないことを承知している筆者的には、これくらい振り切った演出のほうが観ているだけでもワクワクできて良かった。「いいぞもっとやってくれ」と、密かに煽りたくなってしまったものだ。
各シリーズの魅力が凝縮された『ゼルダ』の歴代CMたち。もちろん、今回紹介した以外のCMも、プレイ欲を高めてくれる素晴らしい内容のものばかりだ。
歴代のCMを振り返って『ゼルダ』シリーズの長い歴史に触れておくと『ティアーズ オブ キングダム』をより高いモチベーションで迎えられるかもしれない。