■リメイクが待たれる、子どもでもサクッと楽しめた「9」

『ドラゴンクエスト9』公式サイトより

 続いて、2009年7月11日にDS用ソフトとして発売された『ドラゴンクエスト9 星空の守り人』。

 9はDSということで「すれちがい通信」による宝の地図の交換が目玉で、発売当時は全国のプレイヤーがDSを持って街を練り歩きまくっていたかと思います。(地方と都会の格差が多少問題にもなりましたが……)

 もしもコロナで不要不急の外出を控えなければならない現代に発売していたら、と思うと少しゾッとしますね。分かっていても出歩いてしまう人が続出していたのではないでしょうか。

 ドラクエシリーズ初の携帯ゲーム機用ソフトということもあったためか、クリア後のやり込み、宝の地図の収集やサブクエストといったものが多く、メインストーリー自体はかなりサクッとクリアできるようになっていました。

『ドラゴンクエスト9』公式サイトより

 またキャラメイキングシステムが採用されたことで、ドラクエ4以来となる主人公の性別変更ができるようになり、パーティに入れる仲間キャラたちもメイキングして編成するシステムになっていました。

 物語の主要キャラがあまり多くないというのもポイントで、携帯ゲーム機だからこそ世代を問わず、子どもでもサクッと楽しめるような作りになっていたのかなと感じます。

『ドラゴンクエスト9』公式サイトより

 物語の舞台は人間界と天使界と神の国がある世界。ある日、天使界が何者かによる攻撃を受けたことで、天使界に実っていた女神の果実が人間界に飛び散ってしまい、新人守護天使である主人公が天使としての力を失った状態でウォルロ村に落ちてしまいます。

 主人公はそこで出会ったギャルの妖精・サンディの助言を受け、天の箱舟を動かすために必要な星のオーラを集めるために旅立つこととなります。

 箱舟にのって天使界に戻ると今度は散らばった女神の果実を集めることになるのですが、道中で人間界と天使界のゴタゴタに巻き込まれ、最終的に主人公は自らの師匠であるイザヤールの師匠(つまり大師匠)のエルギオスがすべての黒幕だと知ります。

 しかし、新人天使は上級天使に逆らうことはできないという決まりがあるためこのままでは太刀打ちできない主人公は、意を決して女神の果実を食べ天使の力を完全に失い、人間となってエルギオスに立ち向かう道を選ぶのでした。

 この展開が非常に熱い。

 実際、エルギオスが黒幕であるという真実が明らかになるときも、その理由や言葉に胸がいっぱいになることでしょう。

 今プレイしてもほかのプレイヤーがいないため、すれちがい通信による楽しみがないということなどが理由であまり本作はオススメできませんが、まだリメイクされていないのでもしかしたら、シリーズ35周年のこのタイミングで「ドラクエ9リメイク」が新作として発表される可能性はあるかもしれませんね。

 もともとDSの作品だったためモニターの画面でプレイしたいという声も多く、リメイクが大変待ち望まれている作品です。もしリメイクされるとなると黒幕をネタバレしてよかったのだろうかという思いはありますが、黒幕を知っていても楽しめる物語だと思うのでリメイク版が発売されたらぜひプレイしてみていただきたいなと思います。

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