■そして大名作の最新作『ドラクエ11』へ
そして、最後は現在のシリーズ最新作である『ドラゴンクエスト１１ 過ぎ去りし時を求めて』です。
本作はこれまでのドラゴンクエストシリーズのすべてを結集したかのような、もう１２を出す気はないんじゃないか、と思わせるような、「集大成感」を感じさせるようなずば抜けた完成度を誇る大名作だと私個人は思います。それぐらい面白いです。
何がそんなにすごいのかというと、グラフィックの美しさもさることながら、主人公が勇者であるという事実を冒頭から明確に打ち出したうえで「悪魔の子」だと言われ国から追い出されてしまう展開。そこから始まる、その謎を解き明かした先に浮かび上がる真実とさらなる展開。骨太でよく練られている物語とそのボリューム、そして登場するキャラクターたちの設定や個性もそれぞれ描かれており、さらにはいつも通り素晴らしいＢＧＭも効果的に過去作のアレンジ版が使われるといった遊び心もあります。もうとにかく隅から隅まで「どんなプレイヤーも絶対満足させてやるぞ！」という力強さを感じるのです。
なんでもかんでも詰め込みすぎるのではない、このパワフルさと繊細なセンスが上手に噛み合っているのがドラクエ１１なのです。なので私は、ドラクエ１１がシリーズ最高傑作であると思っています。
あらすじを書いていきますが、一応最新作なので肝心な部分のネタバレは伏せます。なぜなら本作はネタバレしてしまうと驚きや感動が間違いなく激減してしまうからです。
舞台はロトゼタシアと呼ばれる世界。名前に「ロト」という文字が入っていますね。ということは「ロト三部作」に何か関係があるのかもしれません。
ある日、いにしえの勇者の生まれ変わりとされる子どもがユグノア城で誕生します。しかし、誕生したその日に魔物たちによってユグノア城は滅ぼされてしまい、勇者は母親のエレノアやマルティナ王女にその命を守られ、その後滝に落ちてしまいますが、流れ着いた先のイシの村の村長・テオに拾われます。その勇者が主人公です。
イシの村で育った主人公は、１６歳の誕生日に自身が勇者であることを知り、自身の使命を確認しようとデルカダール城へと向かいますが、デルカダール王から「悪魔の子だ」と言われ、国から追われる運命となってしまいます。
はたして主人公はいったい何者なのでしょうか……。
どんなプレイヤーでも分かることだと思うのであえて断言しますが、主人公は間違いなく勇者です。決して災いを呼ぶ「悪魔の子」ではありません。ではなぜデルカダール王は「悪魔の子」だとしたのか……。
その理由が明らかになったときこの世界にどんな危険が迫っているのかが分かり、そして更なる展開が待ち受けています。本作のサブタイトル「過ぎ去りし時を求めて」の意味が分かるころにはきっと本作の虜になっていることでしょう。
サブクエストやクリア後のやり込み要素も豊富で、本筋であるメインストーリーもかなり練られた構成になっており、ボリュームも満点。プレイすれば間違いなく楽しめる作品だと思うので、もしドラクエシリーズを遊んだことがなく、ほかのシリーズ作品をやらなくても構わないという方はせめて１１だけでもプレイしてみていただきたいです。本当にすさまじいゲーム体験がつまっています。
■ドラクエはやっぱりすごい！
ということで長々と書き連ねてまいりましたが、以上がドラクエシリーズ全作品のおおまかなまとめです。
これさえ読めば、“なんとなく”ドラクエのすべてをプレイした気持ちになれる、をテーマに書いてみたつもりなのですが、未プレイの方に興味を持ってもらえたかどうか不安でたまりません。少しでも魅力が伝われば幸いです。
書いてきてあらためて感じたのは、常に進化を求めて新作が登場していることと、かといって過去の作品が新作に劣ることがないということです。
確かにグラフィックやシステムなどは新しいもののほうが優れていますが、１１を遊んだ後に３を遊んでも決して「劣っている」とは感じないでしょう。３５年という時間を重ねた今もなお、１１作品すべてが多くの人に愛されているドラゴンクエストというシリーズの偉大さをあらためて痛感いたしました。今後の進化にもますます期待してしまいますね。
みなさんが思うドラゴンクエスト最高傑作は何でしょうか。そんな話をしながら、３５周年を祝うのもよいかもしれませんね。
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