■グラフィックの美しさと移動の快適さに魅了
自分にとっては、魔法のシステムこそが『FF1』にひかれた一番の理由なのですが、グラフィックの面でもファミコンRPGの中では一線を画していました。
『ドラクエ』と一番違いを感じたのは戦闘シーンで、キャラクターが攻撃モーションを実際に見せてくれるのはインパクトがありました。フィールドマップも1歩ごとのマス目を感じさせないリアルさがあり、広大な世界を歩いているだけで何となく先進的に感じたものです。
また序盤に手に入る「船」に乗ると、フィールドを歩くときの2倍のスピードで移動可能になり、「飛空艇」に至っては徒歩の4倍の速度に。その快適さ、爽快感を一度味わってしまうと「ほかのRPGに戻れなくなるのでは?」と本気で思ったほど。
『FF1』のメロディアスなサウンドも私の好みにピッタリで、やはり記憶に強く残っているのはメインテーマとバトルのイントロです。どちらも『FF』シリーズを象徴する曲となり、初代で生まれたサウンドが長らく使われることとなります。私自身、メインテーマを聴きたい一心で、裏技のミニゲーム「15パズル」を延々と遊んでいました。
これらの『FF』の曲を作ったのは、言わずとしれた植松伸夫氏。『ドラクエ』のBGMを作曲した音楽家・すぎやまこういち氏と同様に今ではゲーム音楽界のレジェンドとして、その名を知らない人はいないことでしょう。