■「テーブルトークRPG」ライクな魔法システム
『ファイナルファンタジー』が発売された頃、私はRPGのルーツと言われる『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』というテーブルトークRPGにハマっていました。
D&Dでは魔法は購入して覚えるもので、かつレベルごとに1日に使用できる回数制限もあります。『FF1』の魔法システムは、まさにこれだったのです。
当時の私は『ドラクエ』もプレイしていて、レベルアップとともに習得する魔法(呪文)やMP消費による使い勝手の良さは承知していました。しかし、『FF1』を見てからは「RPGの元祖と同じ魔法のシステムとか最高だろ!」と、今にして思えば中二病的な感覚で、一気にFF派へと転びました。
さらに『FF1』の魔法は単なる攻撃手段というだけでなく、火、雷、氷といった魔法属性の概念が存在。モンスターの「弱点となる属性を突く」という戦術的な思考をごく自然に教えてくれました。今のRPGなら当たり前の要素ではありますが、私にとって「海のモンスターはサンダー系で攻撃」といった意識を叩きこんでくれたゲームは『FF1』が最初だったのです。
当時ファミコンでは『ドラクエ』が圧倒的に有名で、『FF』シリーズがミリオンセールスを記録したのは『FF3』(1990年発売)が最初です。しかし、その頃になると周囲では「FF派」と「ドラクエ派」に人気は二分され、「どっちが上だ!?」なんて不毛なやりとりをしていたことを思い出します。結局、みんな両方とも遊んでいたんですけどね。
ついでに『FF』の呼び方も「エフエフ」派と「ファイファン」派に分かれていましたが、あれはどちらが正しいんでしょうか!?