■戦いのあるRPGだけど「優しい世界」
本作では「鬼」が敵として登場しますが、人間を殺すような残酷なことはしません。敵が行うのも「はなさかじいさん」をさらって村の桜を枯らせたり、「太鼓」を盗んで祭り好きの村人を困らせたりと、イタズラに毛の生えたような悪行ばかり。
そういう穏やかな世界観なので、こちらが敵に勝利した際は「こらしめた」という“やわらかい表現”が使われているのも『桃太郎伝説』らしいところ。桃太郎が愛と勇気で敵を改心させていくという構図に、RPG特有の血生臭い雰囲気は一切なく、小さな子どもでも安心して遊べるRPGだったと思います。
ただし、RPGとしての難易度はけして低いワケではなく、桃太郎の一人旅という特性上、敵に行動不能にされ続けて運悪くハメ殺される……なんて事故もしばしば起こります。