■一度ハマったら長期間抜け出せない魔力
本作はマルチエンディングであると説明しましたが、普通に前情報なしでプレイした多くの人は同じエンディングを見ることになったであろうと思います。そして、彼らは全員、2周目へと走ることになるのです。これもおそらく意図して作られていると思うのですが、最初にこの結末を見せておくことによって作品のテーマと想いを伝え、プレイヤーに考えさせようとしていたのではないかと思います。
現に私は初プレイ後、ほかのルートが気になりすぎて3周プレイしましたが、その間はわき目もふらずに『タクティクスオウガ』をプレイしていました。それだけ夢中にさせる魅力と言葉が詰まっている作品です。
25年前の作品ではありますが、いまだに話題に上がることも多い『クロノ・トリガー』『ヨッシーアイランド』『クロックタワー』『天地創造』などなど、1995年のSFCソフトは名作がバンバン登場した年です。
その「1995年組」で打線を組んでも、立派に中軸を張れるレベルの人気と実力を兼ね備えているのがこの『タクティクスオウガ』なのです。たとえてみましたが、あんまり効果的ではなかったですが、とにかく民族紛争の先に待っているヴァレリア王国の結末をぜひその目でお確かめください。
たとえそれが、どんな最期であったとしても……。