『タクティクスオウガ』25周年、SFC屈指の“濃すぎる”シナリオと戦闘システムの魅力【ヤマグチクエスト・コラム】の画像
1995年10月6日発売、SFC版『タクティクスオウガ』
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 どうも、お笑い芸人のヤマグチクエストです。10月6日はSFC版『タクティクスオウガ』の25周年記念日ということで、今回は本作の魅力についてご紹介させていただこうかと思います。

 皆さんは本作をご存じでしょうか? 「SFCの名作と言えば」という質問をすれば必ずと言っていいほど名前が挙がる作品で、発売当時から今もなお長らくプレイヤーに愛され続けているシミュレーションRPGです。個人的にも、今振り返っても「よくスーファミの容量でこのゲーム作れたなあ……」と驚くばかりの内容量で、もちろん作ったことはないのでたいそうなことは言えませんが、素人目にも分かるほどのこだわりと面白さがギュっと詰まっていました。

 たとえば、ウォーレン・レポート。これはメニューから見ることができる占星術師ウォーレンさんが記録してくれているレポートで、登場人物の情報やウワサなどが進行状況によってどんどん更新されていくというコマンドです。

SFC『タクティクスオウガ』プレイ画面より「ウォーレン・レポート」

 その他の欄に追加されるものを読むとイベントが発生したりなど、ゲームの攻略の上でも大事な要素ではあるのですが、一番の役割は、登場人物の関係性や物語の全体像を把握するということで、このレポートのおかげでゲームのテンポが保たれていると私は思います。

 シミュレーションRPGは他のRPGと比べればやはり戦闘が長くなりがちで、Aボタンを連打すれば終わるというわけではありません。もちろんその戦略性を楽しむゲームなので、そこを短くしろとはまったく思いませんが、その前後で長いイベントシーンを見せられると、少し間延びしてしまいますよね。

 そういった説明過多な部分を極力減らすために、プレイヤー自らが自分のタイミングで情報を知ることができる、という工夫は今でこそ当たり前にされていることかもしれませんが、当時としてはかなり新しかったのではないでしょうか。これまでのあらすじや登場人物が“何人”であるのかなど、メニュー画面から確認できるのはかなり親切で、丁寧なつくり込みの一端がうかがえるかと思います。

 そして、SFCの中でもかなり流麗なグラフィックや味のあるBGMなど、こだわりがそこかしこに見え隠れする本作の中で私が最も魅力的だと思うのが、戦闘とストーリーです。

「タクティクスオウガ」プレイ画面より、バトルシーン

 ということで今回は『タクティクスオウガ』の戦闘システムとストーリーについて書いていきたいと思います。もちろんネタバレは配慮しますが、これだけは言わせていただくと、このゲーム、子どもがやるにはあまりにも重すぎる内容です。

 私は小学生のとき、ある人物の結末を見たときは子どもながらに「むごいな……」と思いました。(むごい結末の人物が多すぎて誰のことか分からない)

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