■「平和」とは何か
あらすじとしてはこんな感じです。第1章はかなりネタバレしてしまいましたが、相当はしょっているので普通にプレイしたほうがより深く理解できると思いますし、最後の命令に関する考え方もまた違ったものになるかもしれません。
ちなみに本作はマルチエンディングで、物語中の選択肢がかなり重要になります。この「町の住人を1人残らず殺せ」という命令。あなたならどうしますか?
ロンウェー公爵の命を受けて、ここまでやってきたこと、そしてこれからウォルスタ人の解放のために行動していく覚悟を決めた最中での大きすぎる決断が、後々の未来を大きく変えることになるでしょう。続きはぜひご自身の目でお確かめください。
さあ、第1章の時点でもうかなり濃密な設定であることはお分かりいただけたかと思いますが、本作のテーマは民族同士の争いです。これは現実に起きている民族紛争が元になっているそうで、日本人にとってはなじみがない歴史ではありますが、事実として世界ではこんなことがあったのかと考えさせられる描写が多々あります。
個性的なキャラクターたちのセリフ、世界背景などがかなり丁寧に作りこまれているので、なじみのないテーマでも十二分に感情移入しやすい展開となっている点も素晴らしいです。もちろんフィクションではありますが、全ルートのストーリーを見終わった後に感じる「命の重さ」や「争うことの意味」など、ふだんの生活では絶対考えないような「死生観」「正義」について深く考える良いきっかけになる深すぎるシナリオとなっているので、25年前のゲームですが、ぜひ未プレイの方はやってみて感じてほしいなと思います。「平和」とは何なのでしょうかね。