「『人生のピークはここだな』と思えることが、いまだに無いんです」
――素晴らしい交流ですね。では、ふるかわ先生にとって「マンガを描くこと」とはどういったことでしょうか?
 やっぱり「人生」ですね。20周年をむかえましたが、漫画家でなかった時間を、漫画家でいた時間が超えたので、「人生」って言ってもいいかな、と思って。
 それにマンガを描く以上に楽しいことがなくて。他にあったら教えてほしいですね。多分教えてもらっても、やっぱりこれ以上のものはないと思いますけど(笑)。
 マンガを描いていてヘコんでしまった気持ちは、まあ美味しいものを食べたりしたら少し回復するかもしれませんが(笑)、やはりマンガを描くことでしか取り戻せないものだと思います。
――画業生活20周年を迎えますが、この20年は長かったですか? それともあっという間でしたか?
 あっという間ですね。子供のときに「漫画家になろう」と思った瞬間の気持ちを、いまでも忘れていませんし。
 実は連載が始まった最初の頃とても体調が悪くて、ペットボトルのキャップが開けられないくらいだったんです。
 それでも手にペンを固定して、「こういう状態で描いていることがバレないくらいの原稿にしよう」と思って描いていました。
 そんな時、尊敬している先輩から「しおりちゃんのマンガは楽しそうだよね」って言っていただいて、「自分に勝ったな」と思ったこともありました。
 それ以降は「あの時にできたってことは、この先もずっとできるな」という感覚があります。
 だから、「人生のピークはここだな」と思えることが、いまだにないんですよね。


