「マンガを描く以上に興味を持てることが無いんです」

――なかなか凄まじいエピソードですね(笑)。お聞きしていると本当にマンガ制作に没頭される毎日のようですが、マンガ以外の趣味にはどんなものがあるんでしょうか?

 ゲームぐらいですかね。いまはアシスタントさんにすすめてもらって『スプラトゥーン』をやっています。
 ただ、「ゲームをやりたいから仕事頑張ろう」というのなら良いんですけど、ハマってしまって「ゲームがやりたくて仕方がない」となってしまうのが怖くて。だからなかなかストーリーものには手が出しづらいんです。
 映画なんかもそうなんですけど、ゲームからマンガに対してヒントを得る、みたいなことが無くて、自分の中では全く別物なんですね。
 だから逆に自分の趣味をマンガに持ち込める方は羨ましいなって思ったりします。何かを突き詰めて、それをマンガにしていけるのはすごく羨ましいんですけど、私自身は本当にマンガを描く以上に興味を持てることがないんですよね。
 あ、でも大好きなRADWIMPSのライブには行きますね。チケットが当たればですけど。
 原稿制作の合間に、一人で行って帰ってくるという感じです。誰かと行って分かち合ってしまうと、原稿にその感動を持って帰ることができないので。たまに誘っていただいてライブに行ったときは、純粋にそのライブを楽しむことができるんですが。

――音楽の話が出ましたが、マンガの制作中はどんな曲をかけているんですか?

 日本語を聞きたい日と聞きたくない日があって、聞きたい日はRADWINPSかONE OK ROCKが多いですね。『ファイブ』の作画的に、勢いのある曲を聴きながらでないと描けないということもあって。
 それと、『ファイブ』をドラマ化して頂いたときに『学園天国』を楽曲提供していただいたミュージシャンの大石昌良さんの曲も、原稿が描きやすいですね。
 他にもドラマでトシ役をやっていただいた佐藤流司くんのバンド、The Brow Beatも聴いています。
 日本語が聴きたくないってときは、頭に日本語が入ってきて邪魔になっちゃうんですけど、それってもしかしたら集中力が無いときかもしれないですね。テレビの音なんかも同じで。
 だから逆に集中しているときは、歌詞が記号として通り抜けていくので、同じ曲を聴いて作業していたアシスタントさんと曲の解釈の仕方が全然違っていたりします。

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