■もう少し我慢していれば良かったのに…擬宝珠纏
両さんと結婚しかけたヒロインは何人かいるが、もっともゴールインに近づいたヒロインならば、擬宝珠纏(ぎぼし・まとい)ではないだろうか。
東京・神田で生まれ育ったチャキチャキの江戸っ子で、同じ下町育ちの両さんとは喧嘩が絶えないが、同じくらいウマも合った。両さんが彼女の実家の「超神田寿司」で板前として働くようになったことで2人の距離はさらに近づき、互いに異性として意識するシーンも何度か描かれている。
そんな2人の結婚話が具体的に持ち上がったのは、第1155話「両さんのミレニアム婚!!の巻」でのことだ。同僚の警官たちに両さんとの結婚の理由を問い詰められた纏は、ひと言「あいつが 好きだから」と返す。心から両さんに惚れていることが分かるその表情がなんとも可愛らしい。
物語の途中、両さんと纏が又従兄弟(またいとこ)の間柄であったことや、両さんの祖父と纏の祖母が犬猿の仲の兄妹であることなど、結婚への障害が次々と立ちはだかるが、2人は諦めようとしない。特に纏が敬愛する祖母・夏春都(げぱると)に対し、「あたし 結婚する」「自分の意志で決めたい 今回は」と直談判し、許しをもらう場面は非常に感動的だった。
しかし、その感動をぶち壊すのが、やはり両さんである。擬宝珠家が保有する“億”以上の財産を発見した両さんは、夜中にこっそり倉に忍びこみ「纏と結婚すれば一生遊んで暮らせる!!」と大はしゃぎ。その浅ましい姿を纏本人に目撃され、ミレニアム婚はあっさり破談となった。
もう少し欲望を我慢できれば今度こそ結婚できていたのに……。だが、そうならないのが両津勘吉という男の宿命なのだろう。
こうして両さんの破局エピソードを振り返ると、「この人は本当に結婚できるのだろうか?」とあらためて思ってしまう。連載が終了して久しい現在でも、両さんの結婚の行方はファンにとって気になる話なのだ。
原作者の秋本氏は、両さんの結婚についてどう考えているのだろうか。
2026年4月に放送されたラジオ番組『川島明 そもそもの話』(TOKYO FM)に出演した際、秋本治氏は両さんの結婚について「お金をどれだけ持っているか」「美人とかあまり関係ないような気がする」と語っていた。
連載50周年という節目を迎える今年、両さんの恋路に何かしらの進展はあるのだろうか……。ファンの期待は高まるばかりだ。
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