■禰󠄀豆子に施した暗示の絶大な効果
鱗滝は、義勇の紹介で炭治郎と禰󠄀豆子に出会った。炭治郎の勇敢さや高いポテンシャル、そして禰󠄀豆子が他の鬼とは違うことに目を留めた義勇は、鱗滝に「どうか育てて頂きたい」と直々に手紙を送っていたのだ。
この義勇の手紙を受け取った鱗滝は炭治郎に試練を与え、見事それを突破した彼を弟子として迎え入れる。その後、鱗滝による厳しい指導の結果、炭治郎は柱に匹敵するほどの活躍を見せる剣士へと成長を遂げたのである。
鱗滝の貢献は、炭治郎の育成だけにとどまらない。彼は鬼になった禰󠄀豆子に対しても、極めて重要な手助けをしている。それが「暗示」だ。
人を襲わない禰󠄀豆子だが、鬼の本能がいつ暴走するとも限らない。それを危惧した鱗滝は、眠り続ける禰󠄀豆子に対し、「人間は皆お前の家族だ」「人を傷つける鬼を許すな」と暗示をかけ続けたのだ。
この鱗滝の暗示の効果は絶大であった。「沼の鬼」との戦闘では、襲われた人々が家族の姿と重なって見えたことで、禰󠄀豆子は身を挺して彼らを守り抜いた。さらに、産屋敷邸で開かれた「柱合裁判」では、鬼にとって極上のご馳走である“稀血”の持ち主、風柱・不死川実弥の血を前にしても、「人は 守り 助けるもの」「傷つけない 絶対に傷つけない」と、暗示の言葉と家族の顔を思い浮かべることで鬼の本能を抑え込んだ。
この鱗滝の暗示が特殊な能力によるものかは、作中で明言されていない。彼自身は、“気休め”と語っていたが、その言葉が禰󠄀豆子に大きな影響を与えたことは疑いようがない。
元柱としての実力に加え、さまざまなかたちで人を導いた鱗滝は、物語における極めて重要な人物の1人といえるだろう。
炭治郎と禰󠄀豆子にとって、師であり保護者のような存在でもある鱗滝。作中ではあくまでサポート役に徹している彼だが、公式ファンブックでは「独身ですが、いい感じの女性がいます」「下戸でお酒めっちゃ弱いです」といった、人間味あふれる一面が明かされている。
このように、物語を支える脇役キャラクターの背景を掘り下げて楽しむことができるのも、『鬼滅の刃』の醍醐味だ。この機会に他のキャラクターにも目を向けてみれば、もしかすると新たな発見があるかもしれない。
■知られざる「ここだけの話」が満載…『鬼滅の刃公式ファンブック』をチェック



