炭治郎の厄除の面にはなぜ“太陽”が描かれた? 素顔を見せない理由は?『鬼滅の刃』育手・鱗滝左近次にまつわる「謎」の画像
※画像は2019年4月20日に投稿された『鬼滅の刃』公式X(@kimetsu_off)のポストより

 吾峠呼世晴氏による『鬼滅の刃』は、主人公・竈門炭治郎が鬼にされてしまった妹・禰󠄀豆子を元に戻すため、鬼を倒していく物語だ。

 炭焼きの家に生まれた炭治郎だが、鬼殺隊に入隊した後はめきめきと頭角を表していく。彼自身の生まれ持ったポテンシャルもあると思うが、特筆すべきは炭治郎を一流の剣士へと鍛え上げた育手・鱗滝左近次の手腕だろう。

 元・水柱である鱗滝は、常に天狗の面で顔を隠した老人だが、その動きや身のこなしは到底老齢とは思えないほど機敏である。謎に包まれた部分の多い鱗滝だが、今回はそんな彼の人物像について、深掘りしていこう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■ヒノカミ神楽のヒントが隠されていた!?「厄除の面」

 育手として多くの子どもたちを育て上げ、鬼殺隊へと導いてきた鱗滝。彼は最終選別へ向かう教え子たちに、「厄除の面」と呼ばれる手彫りの面を贈るのが常であった。

 この面は、弟子たちを災いから守ってくれるお守りとしての意味合いを持つ。モチーフは狐で統一されているが、そのデザインはそれぞれ異なっている。

 たとえば、炭治郎が大岩を斬るための鍛錬に付き合ってくれた錆兎の面には、彼の素顔と同じように口元に「傷」の模様があり、花柄模様の着物を着ている真菰には頬の部分に「花」の模様が描かれていた。このように鱗滝は、面を着ける人の特徴や雰囲気を反映したデザインを施していたようだ。

 そこで注目したいのが、炭治郎に贈られた面のデザインである。彼の面には、額の痣がある部分に「太陽」のような紋様が描かれていた。太陽といえば鬼の弱点であり、のちに炭治郎が体得する「日の呼吸(ヒノカミ神楽)」を連想させる。

 だが鱗滝が炭治郎に伝授したのは、あくまで「水の呼吸」である。彼が将来的に2つの呼吸を使い分ける剣士に成長するなど、この時点では分かるはずがない。だが、もしかすると鱗滝には、何か予感めいたものがあったのかもしれない。

 もちろん、まるで太陽のように明るく元気な炭治郎の人柄から、単純に「太陽」をモチーフとして選んだ可能性も否定できない。その真相は、鱗滝のみが知るところだ。

■なぜ天狗の面をつけている? その意外な理由

 鱗滝のトレードマークといえば、前述した天狗の面だろう。藤襲山で捕らえられていた異形の鬼「手鬼」が47年前に鱗滝と出会った時も天狗の面をつけていた。

 弟子である錆兎や水柱・冨岡義勇と食事をする時でさえ、鱗滝は面を外すことはなかった。その素顔は作中で1度も明かされていないが、実は彼が面をつけるようになったのには、ある意外な理由が存在する。

 『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』によれば、その理由は「顔立ちが優しすぎて鬼に舐められるため」であったという。鱗滝はそのせいで鬼から馬鹿にされることが多く、その状況を打破するため、最終的に面を着けることを選んだそうだ。

 天狗は、日本古来より伝承される伝説の生き物であり、畏怖や信仰の対象とされることも少なくない。弟子たちに狐の面を贈る鱗滝が、自身のためにより威圧的な天狗の面を選んでいることからも、彼が鬼に侮られるのをいかに深刻に受けとめていたかを物語っている。

 しかし、天狗面や弟子たちに贈る狐面は、いずれも手彫りとは思えないほど素晴らしい出来である。剣士としての才だけでなく、芸術的な才能も感じる鱗滝。なんでも器用にこなす彼のポテンシャルは、まさに底知れない。

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