■大河ブームを再燃させた…女性主人公で高視聴率を記録した2000年代の転換点『篤姫』
2000年代に入り、大河ドラマの視聴率低下が叫ばれる中、人気復活を強く印象づけたのが、2008年に放送された『篤姫』である。
主演の篤姫を演じたのは宮﨑あおいさん。当時21歳という大河ドラマ史上最年少(放送時には22歳)での主演抜擢であったが、全50回の平均視聴率は24.5%を記録。これは2000年代の作品としては異例の高水準であり、特に物語終盤にかけて視聴率が上昇し続けるという現象も見られた。
本作は激動の幕末期を、薩摩藩から徳川将軍家に嫁いだ女性・篤姫の視点から描いた物語だ。幕末の大河ドラマはこれまでも多く放送されてきたが、どちらかというと幕末の動乱や戦闘を中心に描いたものが多かった。
しかし『篤姫』では、大奥を舞台に夫である13代将軍・徳川家定(堺雅人さん)との夫婦の絆に焦点を当てたことで、従来の歴史ファンに加えて多くの女性層からの共感と支持を得た。
江戸城無血開城に至るまでのドラマチックな展開は多くの視聴者の涙を誘い、とりわけ最終話での母・お幸(樋口可南子さん)や幼馴染の小松帯刀(永山瑛太さん)との惜別シーンは、深い感動を呼んだ。
こうして大河ドラマ史において大きな功績を残した宮﨑さんは、2026年に放送予定の『豊臣兄弟!』において、織田信長の妹・お市役で18年ぶりに大河ドラマへの出演を果たす。『篤姫』の頃から変わらない透明感のある宮﨑さんの、今後の演技にも注目だ。
今回紹介した3作品は、いずれも放送当時に社会現象を巻き起こしただけでなく、今なお人々の記憶に残る名作である。
ちなみに、筆者もこれらの大河ドラマをリアルタイムで見てきた世代だ。時々、見忘れてしまうこともあったが、視聴するとすぐに物語に引き込まれ、翌週が楽しみになるほどに魅力的な作品だったことを覚えている。
メディアの多様化が進んだ2020年以降、大河ドラマの平均視聴率が20%を超えることは今のところない。しかし、その時代を映し出すテーマや物語の質の高さは、今なお多くの視聴者から注目を集め続けているのである。


