■朝になったらまさかの変貌……
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の中盤付近で「テドン」という村を訪れることになる。この村には、まさかのホラー的な展開が待ち受けていた。
念願の船を入手した主人公たちはポルトガを出港したあと、すぐそばの「ポルトガの灯台」の南に「テドンの岬」があると聞き、船でテドンを目指すことになる。
ちょうどテドンの村に到着する頃には夜になっているのがミソ。村にあるショップなどを巡ったプレイヤーの多くは宿屋で一泊することになる。
しかし、朝を迎えたテドンの村には誰もいない……。宿屋で目覚めると、通常は店主の「おはようございます。ではいってらっしゃいませ」というメッセージが流れるのだが、テドンでは空のメッセージウィンドウが表示されるのみ。その違和感が、よけいに恐怖を駆り立てる。
夜の村にはそれなりに村人がいたのだが、昼のテドンは無人であり、そこら中に白骨死体が転がる廃墟になっているのだ。
実は魔王「バラモス」の城に近いこの村はすでに滅ぼされ、魔王の呪いか、怨念によるものかは不明だが、夜になると死者となったはずの彼らが姿を現し、ふつうの村人のように振る舞っているのだ。船を入手して意気揚々と海に飛び出したプレイヤーを、いきなり恐怖に陥れる演出はさすがである。
■徐々に崩れていく主人公たちの像
『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』のラストダンジョンである「暗黒魔城都市」には、『ドラクエ8』ならではのホラー要素が存在する。
この暗黒魔城都市は一見すると普通の都市のように見える。宿屋や教会といった場所も存在し、直前まで誰かがいたような生活感すら感じられるが、住人は誰ひとり見当たらないのが不気味である。
そしてダンジョンの後半には暗黒神の間へと続く回廊があり、そこにはなぜか主人公たちの銅像が建っている。そして探索しながら回廊を周回していくうちに町が崩壊しはじめ、主人公たちの銅像の首がなくなっているのだ。
その後も回廊を周回していくと、町は白骨が大量に積まれた牢獄へと変貌。そのとき主人公たちの銅像も完全に破壊されている。
おそらく魔王「ラプソーン」の仕業だろうが、リアル頭身で描かれている『ドラクエ8』のキャラクターの像が無残に壊れていく様にゾッとさせられた。
今回は『ドラクエ』シリーズの中で個人的に印象に残っている、恐怖を感じたシーンを振り返ってみた。何気ない冒険の中に、いきなりホラー的な演出や場面が描かれるので油断できない。またリアルな映像による直接的な恐怖を与えるのではなく、地味に精神的に来るような怖さが盛り込まれているのも『ドラクエ』ならではといえるだろう。


