若きキムタク&西島秀俊が尊い…再放送されない名作『あすなろ白書』もどかしい恋愛模様に今も胸キュン!【激レア名作ドラマ発掘隊】の画像
木村拓哉(写真/ふたまん+編集部)

 1993年にフジテレビ系の“月9”枠で放送され、瞬間最高視聴率31.9%を記録したドラマ『あすなろ白書』。同作は、『ビッグコミックスピリッツ』で連載された柴門ふみさんの同名漫画を北川悦吏子さんの脚本で実写化したドラマで、“あすなろ会”を結成した大学生の男女が織りなす甘酸っぱい恋愛と友情を描いた群像劇である。

 藤井フミヤさんが歌う主題歌『TRUE LOVE』も202万枚超えの売上を記録し、今なお歌い継がれる名曲となった。そんな平成を代表する名作ドラマだが、現時点では地上波での再放送の機会もなく、動画配信サービスでの配信もされていない。2023年には初のブルーレイが発売されたものの、気軽に見ることのできない作品のひとつと言えるだろう。

※本記事は作品の核心部分の内容を含みます

■若かりし頃のキムタクに西島秀俊さん…豪華すぎるキャスト陣

 『あすなろ白書』を振り返るうえで欠かせないのは、豪華なキャスト陣だ。W主演を務めたのは、園田なるみ役の石田ひかりさんと掛居保役の筒井道隆さんである。

 石田さんは、1992年にNHK連続テレビ小説『ひらり』や日本テレビ系の『悪女(わる)』の主人公を演じ、1992年と1993年と2年連続で『NHK紅白歌合戦』の紅組司会を務めるなど、当時はまさに飛ぶ鳥を落とす勢い。

 筒井さんもドラマに引っ張りだこで、『あすなろ』以降も、『君といた夏』『王様のレストラン』など高視聴率作品で圧倒的な存在感を放っている。改めて『あすなろ』を見てみると、同作がヒットしたのは天真爛漫ななるみと影のある掛居という役柄が、二人のイメージにハマっていたのが一つの理由だと感じる。

 そして、同作を機にブレイクしたのが、報われない恋に翻弄される取手治を演じた木村拓哉さんである。木村さんはSMAPとして活躍するものの、俳優としてはまだブレイク前。今でこそクールな演技の印象があるが、同作での爽やかな演技は非常に新鮮だ。人気のアイドルが黒ぶち眼鏡の真面目な役柄を演じたことも、好印象を与えた要因かもしれない。

 そして、なるみの親友・東山星香を演じた鈴木杏樹さん。デビューして間もない中、兵庫県出身の鈴木さんは関西人の星香役を自然体で演じ、大きな爪痕を残す。ただ、鈴木さんは2023年に出演した『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)で当時を振り返り、「兵庫出身なので関西弁はできてると思っていたけどエセ関西人とクレームが入った」とぼやいていた。

 最も難しい役だったのは、西島秀俊さん演じる同性愛者の御曹司・松岡純一郎だろう。90年代はLGBTへの理解が今のように浸透しておらず、ドラマで描かれることも稀。ゆえに、この役をどう演じるかをプロデューサーの亀山千広さんと相談したそうだ。

 そして西島さんは繊細な松岡の性格を見事に表現。俳優としての才能を開花させるが、その後事務所を退所し、一時的にテレビから離れてしまう。しかし、映画出演を経て2000年代に復活すると一気にブレイクし、現在のキャリアを確立した。本作は、若い頃の西島さんが見られる貴重なドラマでもあるのだ。

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