■ロケット団の絆と仲間への想いが涙を誘う
数ある話の中でも、長年苦楽をともにしたアーボ&ドガース(アーボック&マタドガスに進化)との別れを描いた「ロケット団!みだれひっかきでサヨウナラ!!」は、涙腺崩壊という声が続出したエピソードだ。
いつものようにピカチュウを追っていたロケット団は、電気檻に入れられ傷ついた大量のアーボとドガースを見つける。ニャースの通訳によると、密猟者に捕まったらしい。
アーボックとマタドガスは同胞の身を案じ、それを見たムサシらはみんなを解放しようとした。だが、そこに現れたポケモンハンター・リョウにコテンパンにやられたうえに逃げられてしまうのだった。
リョウの非道さに怒ったロケット団は大量のアーボ&ドガースの面倒を見ると決め、リョウの後を追った。だが、ピカチュウの10万ボルトで鍛えられたニャースが電気檻をあけてみんなを解放するも、リョウのサナギラスが進化してしまい万事休す。
勝てないと察したムサシとコジロウは、アーボックたちに「逃げるが勝ちって言うだろ? あんなやつに可愛いお前たちを渡すわけにはいかないんだよ」「そのアーボやドガースたちにはあんたたちが必要だわ」と言い、全員に逃げるように指示をだした。
アーボックたちは実質的な別れとなる指示に、戸惑いつつも同胞のために動き、残った3人は足止めすべくバンギラスと対峙する。「さらば友よニャ……」と去り行く仲間に別れをつぶやき、自分たちの体一つで勝てない相手に命懸けの戦いを挑むロケット団。瀕死になりながらもリュウの足にしがみつき、「まだ戦える……」と仲間を守ろうとする姿は多くの視聴者の胸を打った。
普段は悪事ばかり働くが、ロケット団は仲間のために躊躇なく身を捧げることができる勇気と愛を持っている。その点も、彼らが愛されるポイントなのだろう。ちなみに、この道中でコジロウは前述のサボネアと出会い仲間になっている。
このほかにも、ニャースとムサシ&コジロウ絆が涙を誘う「おニャースさまのしま!?」をはじめ、「迷い道は分かれ道!? ムサシとソーナンス!!」など、ロケット団がメインの回は感動的な物語が多い。サトシの旅と共に彼らの旅も終わったが、またいつか活躍が見たいものである。