『東京ラブストーリー』『学校へ行こう!』『101回目のプロポーズ』『逢いたい時にあなたはいない…』…名作がズラリ!凄すぎた1991年「月9ドラマ」を振り返るの画像
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 数々のドラマブームを巻き起こした90年代。なかでも1991年に放送されたフジテレビ系列の「月9」は凄かった。豪華なキャスティング、そして、数々の名セリフも登場し、視聴率が30%を超えたドラマも多発したのである。

 当時の社会現象にもなった1991年の月9ドラマだが、印象深いのは、やはり『東京ラブストーリー』だろう。ただ、この年、月9で放送されたドラマは他にも3作品あり、どれも『東京ラブストーリー』に負けない名作である。ここでは1991年の月9ドラマ全4作品を時系列とともに紹介したい。

■月9の地位を確固たるものにさせた『東京ラブストーリー』

 1991年最初の月9として、1月より放送されたのが『東京ラブストーリー』だ。原作は柴門ふみさんの同名漫画で、主役のヒロイン・赤名リカには鈴木保奈美さん、彼女が愛した永尾完治(通称:カンチ)には織田裕二さんが抜擢された。

 物語は田舎から上京し都会の営業部で働くカンチが、天真爛漫なリカに振り回されながら進んでいく。カンチはリカのひたむきな愛情に惹かれつつも、高校時代の同級生・関口さとみ(有森也実さん)への想いを断ち切れないまま葛藤する……という内容だった。

 本ドラマはバブルが崩壊した後の社会を表すように、これまでのトレンディドラマから脱却した内容にも注目された。カンチの行動やさとみの存在にヤキモキしつつ、最後まで目が離せなかった視聴者も多かっただろう。

 『東京ラブストーリー』の平均視聴率は22%を超え、最終話は驚異の32%に及んだ。月曜日の夜はドラマを見るために街からOLがいなくなるとも言われ、「月9」の名称を確固たるものにした作品でもある。

■ラブコメ&熱血教師の新ジャンル『学校へ行こう!』

 『学校へ行こう!』は『東京ラブストーリー』のすぐあと、4月期より放送された月9ドラマである。主役の英語教師・幸を演じたのは浅野ゆう子さんだ。

 あらすじはこうだ。浅野さん演じる臼井幸は、独身であることに焦りを感じている30歳の英語教師。幸は新任の体育教師・稲村(加勢大周さん)を狙っており、同僚の音楽教師・恵理(高木美保さん)とは、ライバル関係にあった。

 そんななか、幸のもとに高校時代の同級生・安西(布施博さん)が尋ねてきて居候をはじめる……という物語だった。

 本作は結婚を焦る女性教師のドタバタ恋愛模様が見どころなのだが、愛する生徒を守るため、彼女が奮闘するシーンも描かれている。いわばラブコメ&熱血教師のストーリーで、新たなジャンルとしても注目された。

 浅野さんや布施さんなどはそれまでもラブコメ作品に多数登場しており、王道キャストと言えるだろう。しかし本作では生徒役に萩原聖人さんや喜多嶋舞さん、SMAPのメンバーであった若かりし頃の中居正広さんや稲垣吾郎さんが登場しているのにも注目だ。

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