ファミコンソフトが66万円!100円で買えた『燃えプロ』も今や…ハードオフを直撃!価格高騰「レトロゲーム市場」の現在地の画像
ハードオフ吉祥寺店のレトロゲームコーナー

 近年、さまざまなメディアでも報じられている「レトロゲーム人気」。ファミコン世代が50代前後となった現在、中古ゲームソフトを買い求める人が増加。外国人観光客のおみやげ需要もあり、懐かしのゲームたちが品薄状態になっているのです。中には超高額な値段になっているものもあるとか……。

 そんな実情を知るべく、ファミコンをはじめレトロゲーム関連商品を多数扱う「ハードオフコーポレーション」を直撃取材! レトロゲーム市場のリアルを聞いてみました。

 はじめに見せてもらったのは、ハードオフ吉祥寺店のショーケース。懐かしのレトロゲームがズラリと並び、少年時代のような懐かしい気持ちになります。とくに筆者はゲームボーイが大好きでした。子どもにとってゲームソフトの数千円って本当に貴重でしたよね。でも大人になった今なら、「爆買い」できちゃうかも……!

(※文中の価格などは8月21日時点のものです。)

■高騰が続くレトロゲーム市場

 ……とよく見てみると、ゲームボーイソフトが数千円って当時とあまり変わらない……。というか『メトロイド2』が35200円、『Sa・Ga2』が16500円って、むしろ高いですよね? さらにはソフトの箱だけでも1000円以上で販売するケースもあるとか……。これって中古ですよね! どうなっているんですか!?

「“燃えプロ”ってご存じですよね? あれ、昔はジャンクコーナーの中に100円で転がっていたんですよ。それが今、1000円くらいの値段になることもありますからね(笑)」(ハードオフコーポレーションの岡嶋雄一さん/以下同)

 1987年に発売されたファミコンソフト『燃えろ!!プロ野球』(ジャレコ)。たしかに一時期は「ワゴンセールの主」のような存在だったけど……まさか10倍とは! それだけ、レトロゲーム市場の近年の相場が上がっているということのようです。

「コロナ禍あたりから、レトロゲームの価格は右肩上がりです。最近はインバウンドのお客様がレトロゲームをたくさん購入していますが、実はその前から相場は上がっているんです。とくに、流通が少ない作品の価格が跳ね上がっています。人気ソフトというよりは、製造数そのものが少ない、世に流通していない希少性が高いソフトですね。昔から高額のソフトはありましたが、現在の状況は、数年前にはあまり値が付いていなかったソフトが全体的に底上げされている……という感じですね」

 まさに、レトロゲーム市場全体が高騰しているという状態のようです。ちなみに、高額で取引されている商品にはどんなものがあるのでしょう?

「ハードオフは店舗ごとに値段をつけているんですが、たとえば、ファミコンソフトなら『バイオミラクルぼくってウパ』が完品(説明書や箱などがすべて揃っている状態)で66万円。新品未開封のディスクシステム版『ゼルダの伝説』を33万円、同じく完品の『ギミック』を33万円で販売している店があります」

 ほかにも数万円は当たり前で、数十万クラスも多数あるとか。ハードオフで現在確認できるレトロゲーム関連商品の最高額は、『ニンテンドー64DD ランドネットスターターキット』の110万円……。当時子どもの遊びだったゲームが、もはや「貴族の嗜み」に!? でも、本当にこんな値段でも売れるんですか……?

「売れます。直近でいうと、約15万円の値段をつけた『ゲームボーイアドバンスSP』を購入されたお客様がいました。あくまでハードオフは販売店ですから、現実的に売れる値段をつけています。高い価格で販売するソフトは、そのぶん、高く買い取っていますので」

 私は正直、手が出ません……。でも、みんなが高額ソフトを求めてるわけでもないはず。レトロゲーム人気のさなか、売れ筋の商品なんて、あるんですか?

「やっぱり『ポケモン』ですね。ゲームボーイ版のソフトは、ソフトだけの状態でもよく売れます。あと、最近の傾向では、ゲームボーイアドバンス版の『ポケモン』の人気が上がっていますね」

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