■あのハードがもう「レトロゲーム」に!? 加速するコレクターのニーズ

 キレイな完品であれば価格が跳ね上がる一方、箱がなくても買い手がいなくならないレトロゲーム市場。どうやらその盛り上がりは本物のようです。ちなみに、現在30代である筆者にとって、レトロゲームと聞くとファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイあたりが想像されます。今のお話に出たゲームボーイアドバンスも、もうレトロゲームに入るのでしょうか……。

「人によって定義は分かれると思いますが、ハードオフでは、ニンテンドー3DSもレトロゲームに入っていますね。実際、ニンテンドーDSも3DSも、価格はかなり上昇傾向にあります」

 アドバンスどころか、2011年に発売開始された3DSがレトロですか!? 3DSって、こないだまで新品ふつうに売ってましたよね? シリーズの生産中止も2020年の9月。たった4年前なんですけど、もうレトロゲームなんですか!

「そもそも、ファミコンソフトをコンプリートしたいというような方は数十年前からいました。でも、その人数が増えて、希少価値が上がって、値段も上がってしまった。すると、コレクションが難しくなるわけです。その一方、生産が終わったばかりのものは、比較的安くコレクションできる。だから、どんどんコレクターの方の目をつけるスピードも速くなっているようなんです」

店内にはファミコンをはじめ、往年の名ハードが並ぶ。(ハードオフ吉祥寺店で撮影)

 “今のうちに集めておこう”というニーズが増えた結果、3DSもレトロゲームの一つとして人気が高まったのだとか。たしかに、数十万するようなソフトを何本も買うのは困難。ニンテンドーDSや3DSはそろえやすいから、手を出しやすいというのもうなずけます。ただ、現在はファミコンソフトに比べて低価格でも、5年も経てば価格はもっと跳ね上がるだろうと岡嶋さんは予想しています。

 そういえば、ファミコン、ゲームボーイ、3DSと、レトロゲーム=任天堂系の商品というイメージも強いのですが……?

「一概には言えませんが、カードリッジ型のソフトが人気という点はあります。実はハードオフの売れ行きで見ると、プレイステーションセガサターンなどのディスク型のソフトは、カードリッジ型に比べて少し人気が落ちますね。やはり、カートリッジ型には「モノ」としての愛着感があるからかもしれません。ただ、レトロゲーム市場は全体の値段が底上げされている状態ですから、ディスク型の商品が人気になるのも時間の問題だと思います」

 私はばっちりプレステ世代でもあります。ここから「レトロゲーム道」を始めようかな……。

 

■プロフィール
株式会社ハードオフコーポレーション 執行役員
岡嶋雄一さん
直営店舗運営部部長。中古品の買取・販売店として、日本全国・海外に900を超える店舗を構えるハードオフグループの直営店を管轄。

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