客の4割強が外国人…ハードオフを直撃!インバウンドが「レトロゲーム」を爆買いする本当の理由の画像
ハードオフ吉祥寺店のレトロゲームコーナー

 1983年に発売された任天堂『ファミリーコンピュータ』をはじめ、PCエンジン(NECホームエレクトロニクス)、メガドライブセガ)、スーパーファミコンゲームボーイ(ともに任天堂)などなど、昭和から平成にかけて、家庭用ゲーム機は日本のポップカルチャーを賑わせてきました。画面上で動くキャラクターたちに心ときめかせ、初めての冒険に胸躍らせた子ども時代を過ごした人も多くいることでしょう。

 そんな懐かしのゲームは、今では「レトロゲーム」と呼ばれ、最近ではその値段がどんどんと高騰。特に、コロナ禍明けで急増した海外からの観光客のお目当てが「レトロゲーム」であることも少なくありません。外国人観光客が秋葉原で“大人買い”する姿は、ニュースでも取り上げられ、一部では「買い占め」というフレーズで報道されることも。

 では現在、インバウンドにどのくらい「レトロゲーム」が人気なのか。どのくらいの金額が動いているのか、今回はその実態を、実際に「レトロゲーム」を扱う店舗に取材してみました。(※文中の価格などは8月21日時点のもの。)

■インバウンドから圧倒的人気を誇るソフトは……?

「たしかに、コロナが落ち着いてから、海外からのお客様は相当増えました。国別にデータを取っているわけではありませんが、アジアよりもアメリカやヨーロッパ圏のお客様が中心で、特に秋葉原や上野など都内の店舗は、肌感で4割以上が海外の方々です」

 こう答えてくれたのは、リユース商品を取り扱う「ハードオフコーポレーション」直営店舗運営部部長の岡嶋雄一さん。最近、筆者が秋葉原や中野、池袋など都内のアニメ・ゲームショップを訪れてみると海外からのお客さんが多い印象がありましたが、それは間違ってはいなかったようです。

 そして、売れ筋はやはり「レトロゲーム」なのだとか。

「レトロゲームは、ソフト・ハード・付属品問わず人気が高いのですが、中でも海外の方に人気なのは『ポケットモンスター』シリーズ(任天堂)です。ゲームソフトだけではなく、ぬいぐるみなどの関連商品を含め、全ジャンルにおいてダントツの人気です」(岡嶋さん/以下同)

 国内でも超人気タイトルである『ポケモン』。インバウンドにはどのハードの『ポケモン』もまんべんなく人気があるが、初期のソフトのほうが希少価値が高いため、値段にも影響しているそう。

「最初のゲームボーイ版『ポケモン』って4バージョンありましたが、海外では赤と青、ピカチュウの3バージョン展開だったのをご存じですか? 海外で未発売ということで、インバウンドには『緑』がものすごく人気なんです。それを手に入れるために、わざわざ日本に来る方までいるようですね」

 当時、3900円で発売された『ポケモン・緑』ですが、ハードオフでは、ソフト・箱・説明書などがそろっている完品なら1万円以上の値段がつき、ソフトだけでも4000円以上で販売中。それどころか、店舗内を見ると、さらに驚きの金額の商品まで……。

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