なぜ軒並み高騰? 『悪魔城ドラキュラ』シリーズ「数万超えはザラ」なプレミア中古ソフトたち ファミコンROM版に『バンパイアキラー』『血の輪廻』も…の画像
ファミコン・ディスクシステム版『悪魔城ドラキュラ』(撮影・山口和則)

 コナミを代表するホラーアクションゲームとして、多くのファンを魅了する名作『悪魔城ドラキュラ』シリーズ。その人気は日本だけでなく、海外のゲームファンからも熱い支持を集めている。そのせいもあってか、過去に発売されたタイトルの中古品が、現在ではとんでもないプレミア価格で取引されることも珍しくない。

 軒並みプレミア価格がついたシリーズ作品のなかでも、とくに目についた『悪魔城ドラキュラ』シリーズ作品を見ていこう。

■すべてはここからはじまった! ファミコン版『悪魔城ドラキュラ』

 いまや海外でも高い人気を誇る『悪魔城ドラキュラ』シリーズだが、その記念すべき初代作品は、1986年にファミコンの「ディスクシステム」で発売された。

 オーソドックスな横視点のアクションゲームでありながら、ドラキュラの伝説を下地にしたホラーテイストな世界観やハイクオリティな音楽は、瞬く間にプレイヤーたちの心を鷲掴みにした。

 吸血コウモリ、スケルトン、ミイラといったおどろおどろしいモンスター、悪魔が巣食う“城”を探索するシステム、主人公の武器が「ムチ」と、当時から本シリーズならではの要素が確立されていた。

 ディスク版ということもあり、定価2980円とかなり手頃な価格設定だったが、これが今では中古で3倍近い値段がつくことも珍しくない。

 しかし、本当にプレミア価格となっているのは、このディスク版ではない。実は『悪魔城ドラキュラ』は、1993年にROMカセット版も発売されている。ファミコン末期のリリースということで出回った数自体が少ないこともあってか、当時の価格3900円に対し、現在ではソフト単品でも2万円前後。箱・取扱説明書がそろった美品だと、10万円近い値段で取引されることもある。

 ちなみに、2004年にはゲームボーイアドバンスの「ファミコンミニ」シリーズでも同作が発売されているが、こちらも当時の価格の倍以上の値段がついている。

 『悪魔城ドラキュラ』シリーズの原点となる作品だけあって、今もなお多くの人が求めてやまないファミコン作品といえるだろう。

■CD-ROMを活かし、ボイスやアニメ演出も実現した『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』

 ファミコンで産声をあげた『悪魔城ドラキュラ』シリーズは、1993年に任天堂のゲームハードの垣根を飛び越えてPCエンジン SUPER CDーROM2に初登場。そのタイトルは『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻(ロンド)』で、シリーズ10作目を意味する“X”がつけられた。

 CDーROM媒体の大容量を活かし、アニメーションやキャラクターボイスが初導入。それに伴い『悪魔城ドラキュラ』シリーズにしては珍しくアニメ風のイラストも採用されたが、ゲーム自体はいたって硬派なホラーアクションだ。

 とはいえ、PCエンジンのユーザーに向けて難易度は抑えめに作られており、何度も挑戦するうちにクリアできるゲームバランスは絶妙。ゲームとしての完成度の高さは、シリーズでも屈指の出来といえるだろう。

『血の輪廻』は、作品自体は高く評価されたものの、PCエンジン SUPER CDーROM2用のゲームソフトということもあって出荷本数はそこまで多くなく、案の定プレミア価格で取引されることに。定価が7800円のところ、中古相場は2万円くらいで、帯つきの美品ともなれば5万円を上回る価格がつけられることも珍しくない。

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