■初見プレイでは気付けなかった…『ドラクエ1』竜王の城、『ドラクエ2』のロンダルキアへの洞窟にある「無限ループ」

 ダンジョンでお馴染みの罠といえば「無限ループ」だ。シリーズを通してプレイヤーを悩ませる仕掛けでもあるが、実は初代『ドラクエ』から登場しているのを覚えているだろうか。

 ラストダンジョンとなる竜王の城では、地下5階へ降りる階段を間違えてしまうと「無限ループ」に迷い込んでしまう。これはリメイク版でも同様だ。

 しかも、本作のダンジョンは視界が狭く、ファミコン版は進路が直線(リメイク版は違う)だったので「無限ループ」だと気づけず、引き返すくらいなら突き進もうと思ってしまったもの。

 ただ、初代『ドラクエ』では、この階段を通らずに竜王のもとへとたどり着いたプレイヤーも多いだろう。しかし、『ドラクエ2』に登場する「無限ループ」は多くのプレイヤーを地獄に突き落とした。

 その場所はもちろん、本作で屈指の難易度を誇るロンダルキアへの洞窟だ。しかも、2階と6階の2カ所にあるから、非常にやっかいだった。

 まずは2階だが、ここは階段のあるフロアを通り過ぎてしまうと「無限ループ」にハマってしまう。 ただ、こちらは挽回も可能なのでまだマシだが、キツかったのは6階だ。

 こちらは各フロアにある分岐点で間違ったルートを通ると、最初の地点(6階)までやり直しとなる。なんでやねん!と、当時何度叫んだことか……。最初は意味が分からなかったが、何度かやり直しているうちに「無限ループ」のような構造だと気付く。

「メモを取りながら行けばいいじゃん」なんて令和の子どもたちには言われそうだが、ファミコン版のロンダルキアへの洞窟で6階までたどり着いたことを想像してほしい。

「いのちのもんしょう」のおかげで出直しをくらい、たまたま取った「いなずまのけん」に感激しても、またやり直し……。しかも出現する敵は強者ばかりで、5階の落とし穴攻撃などを超えてヘトヘトになりながら着いた6階で「無限ループ」……。メモを取る気力なんて残っていない。

 やっと抜けた先は白面の台地。「おお!」と感激したのも束の間、ギガンテスやサイクロプスといった一つ目の巨人にビビり、シルバーデビルの“あまいいき”で眠らされ、ブリザートの“ザラキ”で撃沈……。そうして、また「いなずまのけん」から取り直すという試練が待ち構えていたのだった。

 

 さて、紹介してきたようなダンジョンの仕掛けは、良くも悪くもプレイヤーを飽きさせないために必要なものなのだろう。それにしても、『ドラクエ2』の「無限ループ」は今考えてもとんでもない仕掛けだったな。

 やっとあそこまで行ったのに……そして、やっと抜けたのに……という絶望の連鎖で、何度も心が折れかけたものだ……。

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