■先進的システムにハマる『あすか120%スペシャル』

 筆者が『あすか120%』を遊び始めたのは、友人に薦められたからというのもありますが、それまでの対戦格闘ゲームになかった先進的なシステムを操作するのが楽しかったからでもあります。PCエンジン版の『あすか120%マキシマ』でシリーズデビューし、『あすか120%スペシャル』の黒丸で本格的に……あれは修行といってもいいかもしれません。のちに発売となった『あすか120%エクセレント』もやりこみましたが、一番楽しかったのは『スペシャル』の時期だったと思います。

『スペシャル』も『エクセレント』もプレイブルキャラクターは10人で、そのキャラ間のバランスが良かったというのが遊び続けられた大きな理由のひとつですが、やっぱり対戦する相手がいるというのは格ゲーを遊ぶうえで重要な要素かもしれません。

 当時は毎週金曜日に仕事を終えた後、友人の家へ行って徹夜で対戦し、明け方に帰るという生活をしておりました。さまざまなキャラを試しながら各性能を把握したり対処法を考えたり、かと思えば、見ていないところで新たな技や戦術を編み出して披露するなど、真摯にゲームに取り組んでいた日々といえるかもしれません。

 

『あすか120%』は今年で30周年を迎えましたが、2002年にプレイステーションで『ファイナル』の廉価版が発売されて以来、新作は出ていません。

 プレイステーションで発売された3作は現在でもゲームアーカイブスでも購入できるため、興味がある方はぜひ遊んでみてください。対戦格闘ゲーム全盛期に、こんな先鋭的な作品があったのかと驚かれると思いますよ。

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